創作と鑑賞の談話室
7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/01 (Tue) 00:00:14
7月の雑談スレッドです。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/01 (Tue) 17:35:29
定期感想その2です。
「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」が7/12(土)にフジTV系列で放映とのことです。以前にネットの映画評論で取り上げてたの見て「たぶん面白そう」と思ったものでして、TV放映は歓迎です。ただ、当日のサッカー中継が延長あったら、時間繰り下げになる模様。あまり遅い時間にずれ込まないといいんですが(夜遅くは自分は頭がうまく働かない ^^;)。
●SAND LAND(第1話:悪魔と人間の旅立ち)
感想書けるかと不安でしたが、とりあえずは大丈夫そうです。とはいえ、あくまでも自分好みになりそうというだけで、人様にお勧めしていいかどうかは自信なしです。自分の興味が持続できる限りは感想書こうと思いますが(まあ全13話だし)、ご興味ない方は無視して頂けるくらいがありがたいかと。
自分でも興味が持続できるか分からない理由は、前々から聞いていた「絵面が地味」というのがあります。もっとも、だからこそ期待していた面もありまして、第1話は「ちょうどいい地味さ」といったところ。なにせ、悪魔の小僧と人間の爺さんと魔物の爺さんが主役ですからね。少なくとも華はない。
人間の爺さん(ラオ)が、悪魔の小僧(ベルゼブブ)と魔物の爺さん(シーフ)と出会うところからドラマが始まる。舞台は水不足の荒野でして、国王は水を高値の専売にして利益を得ている模様。ラオは鳥類の行動などから北に国王が独占する水源があると推測する。
しかし北の荒野を突き抜けるのは人間のラオでは無理なため、魔物に力を借りることに。これは「水をくれる魔物がいる」とのうわさも手伝ってまして、恐れられている魔物でも人間に好意的な者がいると考えられるから。
ラオがベルゼブブに会ってみると、やっぱり子供なだけあって無邪気。なんですが、後で2千年以上生きていると分かる。が、いったんラオの頼みを断ろうとしたベルゼブブ、ゲーム機を献上されるとたちまち翻意、一緒に行くことに。同行を命じられた魔物の爺さん:シーフもどうやらお人好し。
ここまで、テンプレ通りの感じで手堅くまとまってますが、テンポが割とよくて退屈しません。それでいて、この物語世界の基本的な状況はよく分かる。上手いなあと思ったんですが、3人が出発してからのアクションシーンでさらに制作の手際よさを実感しました。
3人は北へとオープンカー(不整地仕様、キャリーカー付き)で進むんですが、途中で巨大な地中棲息の竜(ゲジ竜)に襲われる。ゲジ竜の戦術は「自らが掘った大穴へ獲物を追い込む」というもの。3人の乗る車は一度は大穴を回避するも、ゲジ竜は執拗に追って来る。車はキャリーカー引いているためスピードが出ず、ゲジ竜を振り切れない。
そこでラオはキャリーカーを切り離し、軽くなったところで加速、大穴を飛び越える。ゲジ竜は切り離されたキャリーカーと衝突して速度が鈍り、それでも追おうとするも自らが掘った穴に行く手を遮られて諦める。全ての要素を上手く使って無駄がなく、それゆえ分かりやすくてテンポもいい。
3人が共闘したことで、何となく結束へ向かう感じも出てます。さらに、キャリーカーを捨てたことで一行はガソリンなどの物資不足に陥るという、次のピンチも自動的に発生させてます。このピンチは3人が力を合わせそうという予感も生じますね。
そうしておいて、ラオに自分語りさせる。まずはベルゼブブが自分について語るのが誘い水でして、前半の行動通り、なかなか無邪気。悪を為すと自慢するものの、内容を聞いてみると子供のいたずらレベルらしい。そういう魔物がなぜ人間に恐れられるようになったか、という疑問も自然に生じますね。
そしてラオは「私は人間を殺した」と。聞いたベルゼブブとシーフの表情が見ものでして、『なんて怖いことを!』と言いたげな感じ。ラオが「戦争での話だ」と続けると、ベルゼブブは『ま、まあそれなら仕方なかったかも』という感じに。この運びも人間と魔物の対立がなんか変という感覚を増すものになってます。
どうもおかしいなあ、と感じたところで盗賊団が襲って来る。3人の車を4輪ともパンクさせ、鉄パイプや棍棒で襲撃。ということで、この世界では武器の類が乏しいことが窺えます。盗賊のリーダーらしき男だけは拳銃を一丁持ってる程度。ラオはトンフォーで撃退するも拳銃を向けられると動きが止まり、背後から殴られる。
しかし、ラオも拳銃持ってますね。なぜ使わなかったのか。ともかくも、ラオが殴り倒されるのを見たベルゼブブが割って入って続く。地味めであるけど飽きずに観られました。アニメ制作が巧くまとめたのかと思いましたが、原作はたった1巻全14話らしい。ということは、原作を引き延ばして、こうなってるということなのかも。
●仮面ライダーカブト(第47話:最終章突入、第48話:天道死す!!)
今週分になりますと、「風呂敷を畳みにかかってたんだなあ」と感じます。主たる敵のワームを率いていた間宮麗奈/ウカが敗北・退場が実質的なクライマックスだったかもしれません。擬態した人間に人格乗っ取られ、神代と同じく人間として生きる可能性を示すも、そうなり切れないことを示しての敗北・退場ということで、ドラマとしても面白かった(ある意味、これがあるから神代の退場も重み増したかも)。
その後、ワームとしては麗奈/ウカの戦闘力を上回っていそうな乃木怜治/カッシスワームが代わって登場しますが、頭脳戦含めたバトルの面白さ主体だったような。最後の2体のカッシスは、神代の最後の花道作るために存在したような感じがあります。神代が主たる敵のワームの組織的な力を奪うという流れですね。
これで神代の正体問題と序盤からの敵をあらかた解決。今週分では残ったワームはいますが、おおむね人間界でひっそり暮らそうとしている個体のみになったらしい。クロックアップできる成虫体も見当たりません。ワームに敵視されていたらしい同族(?)のネイティブだけが残された異種族となりました。
そのネイティブのケリをつけるキーパーソンが根岸のようですね。やたら腰が低いネイティブとして先週出てきたと思ったら、今週分ではもう三島と結託して人類のネイティブ化の実行にかかってます。言い換えますと、決着つけるしかない状況を根岸が急に作り上げた格好ですな。
その過程ではじき出されたのが加賀美陸でして、根岸らの計画阻止の鍵となる「赤い靴」暴走モードを隠し玉に持ってたんですから、当然の流れではあります。が、作劇的には「最終決戦から外すことで生き残る人物」としたように見えます。対照的に「最終決戦に至らせないよう退場させた人物」もいまして、影山ですな。
こうして「人員整理」して、たぶん「カブトとガタックが世界を救う」形を作りにかかってるようです。今週分をいったん観終えて考えて、そのようなことになってると思いはしたんですが、だからといって消化試合みたいな感じでもないのが制作の上手いところなのかも。
例えば加賀美陸ですと、戦線離脱させられたことで、初めて本音を吐露できるようになり、加賀美に泣いて詫びるわけですね。序盤でちょっと涙みせてましたが、そういう真情だったのかと。ある意味、陸はライダーよりもずっと長く仮面をかぶって来たと言えるかもしれません。そして最後の最後でメット割れ。
ひよりもおそらくメインドラマからはフェードアウトのようで、天道がシェフへ導いてます。天道としては最終決戦で生き残れるか否かと思って、ひよりの生きる道を残そうとしてるのかもしれません(※)。が、ひより視点では平和に進む道という感じです。天道がずっと戦いから守って来た樹花と同じ立ち位置へ、ということですね。
(※ ひよりに「最初の客になってくれ」と約束求められた天道、指切りげんまんに一瞬ためらってたりする。)
擬態天道/ダークカブトも、おそらくは最終回の最後の活躍のために待機する格好になったようです。最後に本物のカブトと戦術駆使しての戦いを挑み、ついに完敗する。ダークカブトはカブトに勝てないと示しておいて、三島に捕らわれるわけですね。予習しますと、敵の最後の策謀を潰す活躍のみが残されているらしい。
ともかく本編。冒頭は加賀美陸の市民へのワーム打倒のメッセージなんですが、観ているこちらに対しては簡潔な復習になってます。陸は事態鎮静化と言うも、天道は「勝負はこれからだ」と。市民に配布されているワーム探知ネックレスを問題視しているようです。が、天道は何がどう危ないのかは加賀美にも説明しない。
自分は天道が全てを察しつつ黙してるかと思ったんですが、ネックレスの正体が分かると天道も驚いているように見えました。勘で動いてたようですね。あるいは、ハイパーゼクターは時間移動の能力ありますから、ゼクター通じて何となく未来のイメージが天道に伝わってたのかも。
それはともかく、ネックレスにより次々とワームがあぶりだされまして、ZECT隊員により始末されていく。これがスムーズに行ってまして、序盤でのZECT苦戦が嘘のよう。たぶん、戦闘に長けたワームは残ってないってことなんでしょう。
ワームがいなくなればZECT解散と上層部で決定するも、加賀美陸はネックレスについて知らなかったようですね。根岸は「ワーム感知器ですよ」と説明、陸は表面上は納得、感謝してみせる。が、内心では怪しんだようで、密かにネックレスの機能を調べたようですね。おそらく、真の機能「人間をネイティブに変える」に気付いたんじゃなかろうか。
陸にはそういう破局的事態に対応すべく、天道の父:日下部総一と開発した「赤い靴」暴走システムがあるわけですが、根岸が先んじて察知してしまう。根岸と組んだ三島がZECTトップに座り、陸は追放されてしまう。おそらくネイティブ含めたワームを全て倒すまで止まらない「赤い靴」が封じられたわけで、陸としては勝ち目なしの状況へ。
その間にもネックレスは配られ続ける。影山などは矢車の分もと2つ手に入れるわけですが、これが影山の死命を制することになろうとは。しかし天道がネックレスに待ったをかける。ネックレスを破壊して回ってますな。もうちょっと早く行動起こしてれば、影山は助かったのかもしれません。
天道の動きに反発するのが加賀美ですね。田所らと共にネックレス配布→ワーム殲滅に勤しんでまして、天道の行動は邪魔としか見えない。が、加賀美は天道も信じたい。クロックアップ使っての密談も試みたりするんですが、天道は理由を語らない。そうこうするうち、天道/カブトははじき返した弾丸を蓮華に流れ弾として当ててしまう。
さらにネックレスの首謀者:根岸が人間とネイティブの共存を熱く語ったりするもんですから、加賀美はすっかり取り込まれ、天道との対決姿勢を固めてしまう。ZECTは既にカブトを敵対者と認定しているし、国家機密漏洩とかで国挙げて追われる立場にまでなってしまってるわけですね。
ただ、加賀美は相変わらずちょっと単純、一面的に過ぎる面がありますね。根岸が熱く語ったことに感動したものの、根岸の行動に不審を抱かない。根岸は「ワームとて生きている」とか言うものの、ワームの液状となった亡骸は意に介さず踏みつける。言動と行動の乖離に加賀美が気づければいいんですけど、でもいい面を信じちゃうのが加賀美の魅力でもあるからなあ(Wの左翔太郎もそういうところがある)。
そして影山の致命の怪我の功名でネックレスの正体が分かる。2個持ってたから効果が早かったようですね。ついに身体が人間とネイティブを行き来するように。発熱はその初期症状だったらしい。天道が影山のネイティブ化を目撃、ようやく「やはり、そういうことか」と根岸の狙いをはっきりと把握する。
擬態天道は本物に敗れた後、三島に捕らわれてしまってますな。天道がいったん救出し、ひよりのように人間として生きていけと諭すも、既に狂乱していたらしい擬態天道は走り去ってしまう。そこへ加賀美が追ってきて、また逃れたところへ既にネイティブとなっていた三島/グラリス。これでまたも擬態天道は捕われ、どうも敵の最後の計画に使われる感じみたい。
加賀美は天道と対決。天道はネックレスが人間をネイティブに変えるものだと告げるも、加賀美はもう信用しなくなっている。やはり蓮華に流れ弾当てたのが原因か。当の蓮華は天道からオムライス弁当貰って、真意を察しているというのに。
かくして、カブト vs ガタックへ。ファン的には「もし戦わば」の夢の対決なのかもしれませんが、こういう形で実現するのは悲しいものがありますな。勝敗の決め手も、ZECT隊員の乱射と漏れたガスへの引火・爆発ですし。ともかくも、これでカブト/天道は死んだと思われる事態に。
敵の最後の策謀への対抗策(赤い靴暴走スイッチ)を持っていた加賀美陸も策がバレて追放されてしまっている。おそらく密かに処刑されるはずだったんでしょうけど、天道を倒した加賀美が救出。ZECTを追放されても何とか暴走スイッチと思っていた加賀美陸は、加賀美から天道/カブトを倒したと聞かされ絶望。ガタックの暴走のみでは戦力が足りないんでしょうな。つまり、赤い靴はなくなってしまった。
加賀美は陸から(天道からも聞いた)ネックレスによる人類のネイティブ化計画を知る。さすがに父からも聞いたら信じるしかないですな。上述しましたが、もう打つ手がなくなったからこそ、陸は真情を吐露できる。35年間、敵を偽り、時にはこびへつらい、親友の息子も自分の息子も犠牲にするつもりで耐えてきた。が、水泡に帰した。陸は加賀美に取りすがって「赦してくれ」と声をあげて泣く。
こちらでカブト序盤のころ、加賀美陸や演じる本田博太郎さんについて伺ったとき、話に熱がこもってるような気がしました。もしかして、この最後の加賀美陸の告白と慟哭を踏まえてのことだったんでしょうか。しかし、あまりにネタバレしてもいけないということがあって、加賀美陸と同じく隠すべきは隠したんで、自分からすると「なんだろう?」という感じにもなってたのかもしません。
死んだと思われた天道はかろうじて生きていたようですね。爆発による瓦礫に埋まってはいますが、下敷きにはなってない。子供の頃、瓦礫から助け出したひよりの状況に天道が陥ったわけですね。だからこそ、ひよりを助け出しながらも、生きる勇気を貰ったのは自分(天道)だと悟ることができたわけか。が、花に伸ばした手がガクリ、さらに瓦礫が落ちてきて、というところで描写は終わる(たぶん、死ぬ死ぬ詐欺だろう ^^;)。
地獄兄弟も今週でコミカルも波乱起こしも終わりのようですね。影山は自らがネイティブ化しつつあると知り、矢車に別れを告げに来る。矢車が言い出した「白夜の国」行きはもう無理。それでも影山、パンチホッパーに変身。ネイティブとして終わるのを良しとしないんでしょうな。矢車も応えて、キックホッパーで一撃した模様。
ですが、はっきりしない描写ですね。最後は矢車に寄りかかる影山でした。眠っているのか死んでいるのか分からない。これに明確な答えを与えたのが、ずっと後年のジオウとなったわけか。このとき影山は確かに死亡していた、というものですね。うーん、カブト本編を観てみると、そこをはっきりさせてもらったのは良かったのかどうか、悩ましくなります。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/02 (Wed) 12:19:20
先週の土曜は、「SAND LAND」を見ようと思ったら、睡魔に負けて、気づいたら夜の12時半。
久しぶりに、予定外に寝ちゃってしまったなあ、と。
よって、それ以外の感想になります。
★ガヴ
まさかの酸賀の復活……ではなくて、ゾンビとしての再登場。
てっきり、ランゴを復活させたのがニエルブ、と思い込んでいたので、新ビターガヴの正体がランゴかと思っていたら、酸賀さんが出てきて、そう来たか! と感じ入る。
で、せっかくのガヴ、ヴァレン、ヴラムの3ライダーそろい踏み、かと思いきや、絆斗が敵の催眠能力で操られて、続いた状態。
あと、トピックとしては、その絆斗がとうとうショウマの人間の親族(母親の兄=伯父さんの、お菓子屋店主)に漕ぎつけます。
まめに伏線を張っていたのが、ここにつながった感で、感心したのが絆斗が催眠状態にされたので、ショウマに伝えるのが先送りに。
デンテ叔父さんという味方親族を失ったばかりのショウマに朗報かと思いきや、なかなかやきもきさせてくれますな。
いいドラマ構成だ。
★ゴジュウジャー
ガヴがゾンビなら、こっちもゾンビですか。
ニエルブといい、クオンといい、下衆な兄貴が命を弄ぶニチアサ模様。
それに義憤を燃やす熊手がゴッドネスな人情家ぶりを披露して、超人神合体ホワイトバーンか。
元のテガソードの大部分をグーデバーンのアーマーパーツが覆い尽くすデザインに、初めて見たときはそこまでテガソードが見えない状態にしなくても、と思いましたが、熊手の性格を考えると、納得。
何せ番組を乗っ取っちゃう神ですからね。
ともあれ、悲恋な恋愛劇は井上家の脚本術の秘伝みたいなもので、嶺さんがマンホールを投げたりしないだけマシと思わねば。
うん、心配性な暴走メイドさんに比べたら、嶺さんはまともに恋愛劇を見せてくれました。
で、次回。
え? 角乃の妹? ブーケじゃなかったの? とビックリです。
角乃は先日、主役回だったのに、もうローテーションが回って来たのか? 早い、早すぎるよ。
ええと、金色の瞳の男=陸王? な伏線はどこに?
本当に妹なのか? と思いつつ、ギャル姫シンケンレッドとは、また強烈なネタだなあ、と。
果たして、どんなギャルナンバー1話になることやら。
★カブト
終盤の風呂敷たたみ回でしたな。一気に見ると、展開が非常に早いことを驚きつつ(リアルタイム視聴時は、入院中という事情で1週間が長く感じられたのもあり)。
やはり、クリスマスに友情で結びついた加賀美と天道が、あっさり対立関係になるドラマ展開に、気持ちがついて行かなかったですね。
根岸登場と、三島の動かし方も唐突で、終盤は感情移入が絶たれた感でした。
まあ、この年は見ている特撮番組もいっぱいで、一番感情移入して見てたのは、ウルトラマンメビウスだったなあ、とか、ボウケンジャーもハマってたなあ、とか。
色々懐かしんでみたり。
さあ、カブトが次に終わって、その次の電王に期待が行ってるのは当時と変わらない心情かも。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/07 (Mon) 23:55:16
定期感想その1です。
こちらでタイトルだけ伺ってた、次作「仮面ライダーゼッツ」がガヴでのCMに流されましたな。東映公式Youtubeでも同じPV映像がアップされてますね。もっとも内容についてはほぼ情報なしでして、どんな作風なのやら。
●仮面ライダーガヴ(第42話:割れた思いの果てに)
前話の流れから自分は絆斗がいったんニエルブの手に落ちると思い込み、塩谷壮士の割れたヒトプレス上下をニエルブが得ると思い込んでしまいました。そこから塩谷壮士のビターガヴになるんじゃないかと。が、今話を観ると絆斗はショウマらが確保してまして、そういう流れにはならないと判明。
よく考えると、残り話数1桁で酸賀に続いて塩谷壮士も、というのは尺が足りませんな。もっとストレートに戦いが進むということなんでしょう。予告によると次話から大統領ボッカが人間界に出張って来るとのことで、そこへランゴが絡んで来るとなれば8月で終えるので精いっぱいくらいでしょうか(リゼルがもう影が薄い気もする)。
ともかく本編。酸賀ビターガヴの催眠弾(?)受けたヴァレン/絆斗が「ガヴとヴラムを倒せ」の暗示にかかっちゃったところからですね。自分は「ガヴとヴラムという暗示だから、変身してないショウマとラキアなら大丈夫かも」と思ったんですが、そんな甘いことはなく、絆斗はショウマとラキアが敵と認識してしまってますね。
これではどうしようもないんで、ショウマらは絆斗を椅子に拘束しておいて暗示解除を試みる。が、水ぶっかけたりしてまして、有効な方法が思いつかないらしい。それにしても絆斗のショウマらに対する反応が激しい。
他の催眠被害者はおおむねぼーっとしてまして、何となく指示に従ってる感じなのに、絆斗だけは自らの意思で動いているように感じられます。これってもしかして、絆斗の以前の態度「グラニュートは全て敵」の記憶に催眠が届いたとかあるのかしらん。
催眠解除はできないものの、ラキアの「多幸感与える毒」は有効らしい。鎮静剤ってところですね。デンテが作ってくれた毒の中和剤は出番がなくなっちゃってる感じですが、毒のほうは別用途での有用性が見出されたようです。となると、中和剤は敵が使いたくなりそう。
敵の催眠の被害者は増えつつあり、ショウマらは「黒づくめの男(酸賀かニエルブ)が持つ銃」が鍵と睨む。が、敵のほうが先んじてまして、酸賀が市民に次々と催眠弾を撃ち込み、「風見海岸に行け」と暗示をかける。暗示には続きがありまして、おそらく「入水」ですね。井上優もこの暗示にかかっちゃってますね。ショウマは伯父と知らずに優に遭遇し、暗示にかかった人々の行く先を知る。
黒づくめの男はもう1人が騒動に紛れ込んでまして、ランゴですな。幸果が偶然遭遇し、ランゴに睨まれて人違いと気付いて逃げ出す。が、どこかで見覚えがあると気づいてますね。しかし、ハッキリとは覚えてなくて、これではショウマらに伝わらないかも。ランゴは異常事態に気付き、黒幕を探っているようですね。
催眠で操られた人々はついに海岸に到着、しかし止まらずに海に入ろうとする。一人ひとり止めるには手が足りませんが、ラキアの毒で眠らせてなんとか時間稼ぎは成功。絆斗で試しといたのが役立った格好ですね。
ただ、毒を行使するたびにラキアは罪の意識を思い出すものがあるみたい。さらに、以前にラキアが恐れていた「毒を使ったヒトプレス狩りを幸果に知られる」が現実に。追って来た幸果が目の当たりにしちゃうわけですね。ただし、幸果は隠れて見てまして、ラキアはたぶん気が付いてない。
ここでニエルブが酸賀ビターガヴを連れ、得意げに登場。「今回の実験」は成功らしい。そのまま去ろうとしますが、ショウマらが許すわけもなし。変身してのバトルに突入ですが、ニエルブは酸賀ビターガヴより催眠銃(?)が大事みたいですね。そっちが「実験」の主たる成果ということか。
ニエルブもグラニュート態となって参戦、混戦となりますが、そこへ絆斗が駆けつける。絆斗、酸賀・ラキア邸で素志と暗示の間で葛藤してましたが、どうなったかですね。変身した絆斗/ヴァレンが向かって行ったのはニエルブ。志が催眠に勝ちましたか。母親(早恵)、師匠の塩谷壮士、ショウマ、ラキアとの実体験の記憶が植え付けられた感情に勝ったということなんでしょう。
これで戦いの勢いが変わりまして、ニエルブの命で催眠銃を死守せんとする酸賀ビターガヴを撃破、続いて催眠銃も破壊、催眠にかかった人の暗示も解け、ショウマ側の勝利ですね。ただし、ニエルブは取り逃がしてしまう。ニエルブ、去り際に「やっぱり赤ガヴかなあ」と呟いてまして、彼の「実験」はそっちに向かうことになる感じです。
(自分は前話では「酸賀に残った自我がニエルブを倒すのでは?」と思ったんですが、そういう「救い」はありませんでした。酸賀は死しても許されざる存在ということだったんでしょう。)
催眠が解けた人々の一部もこのバトルを見届けてまして、序盤でよくあった「ガヴを見て化け物と恐れる」がまたも起こってますね。ただ、幸果が「大丈夫、仮面ライダー」と説明すると、納得される状況になってるみたい。ただし、その中にショウマの伯父:井上優もいまして、「仮面ライダー?」と何か心当たりある様子。
しかし、それが何かは今話では明らかにならず。井上優自身、仮面ライダーをよく知らず、ネット検索してみて多少理解した模様。が、ライダーが戦う相手:グラニュートが20年以上前から暗躍と知ると、妹:みちるの失踪と関係あると思い至ったらしい。同時にショウマも絆斗から「井上優はお前(ショウマ)の伯父」と知らされまして、続く。
次回「人間界はどんな味?」では大統領ボッカが人間界に乗り込んで来るらしい。死亡偽装して潜伏中のランゴはどうするのかな。今話の流れからすると心配なのは、井上優です。伯父と明らかになったことが、ショウマ個人にとってどう出てくるかは予想しかねますが、敵からすると格好の人質となりそう。井上優が「ショウマは妹の忘れ形見」と認識した場合、身を挺してでも守ろうとする可能性もあります。シビアなドラマも可能になるお膳立てが出来てるのかなと。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第20話:ギャルに真剣! 緒乙はキャラ変!?)
こちらで「角乃の妹:緒乙=ブーケ」説を伺い、自分は大いに納得するものがあり、期待もしたんですが、今話で別人が緒乙として登場、名前のみならず首筋の3つのほくろまで合致しまして、緒乙本人と考えてよい状況になりました。
そこは敵幹部の出自(元は人間なのかも)もあり、未だちょっと残念ではあるんですが、緒乙が変身するユニバース戦士:シンケンレッドの扱いがちょっと面白かったりもします。自分は先週の予告時点で原典の「(序盤からの)シンケンレッドは影武者」から、緒乙が偽物の可能性を考えました。
が、緒乙は本物。どうなるのかと思ったら、緒乙から指輪奪って変身したのがファイヤキャンドルとなったわけで。シンケンレッドは「火」ですんで、炎のファイヤキャンドルというのは「なるほど」と。しかし、緒乙は指輪手放すと昏睡状態に戻るということで、せっかく上がっていたファイヤキャンドルの好印象度が下がってしまいます。動けなくなった緒乙を、ファイヤキャンドルは気にもしませんしね。
こうなると「指輪が再び緒乙へ」と期待したくなるわけですが、それこそシンケンジャー終盤の流れになりますね。シンケンレッド/当主は殿(影武者)から姫(現当主)に返され、しかし姫(退位)から殿(新当主)に譲られるわけで。ゴジュウジャーでもその流れになれば、緒乙は復活するし、ファイヤキャンドルの株は再び上がりそうだし(指輪の返し方次第)。
そういうところは今話の注目ポイントになりましたし、次話に期待する点でもあるんですが、同じくらい気になったのがゲスト敵のギャルノーワンでして。自分はギャルに疎くて、ちょっと前にネットでギャルについて調べたことはあります。が、いろいろあるようだし、時期によって変わってもいるし、なかなか理解が難しい。未だにギャルとパリピの区別すらうまくつけられません。
今話でもギャルノーワン見ながら「たぶん、これが現在のギャル像?」とか考えてました。が、何となく似ているキャラクター思い出しまして(特に口調)。鬼滅の刃の堕姫です(つい先日、総集編として再放映)。堕姫は花魁に化けた鬼なんですが、一人称が「あーし」だったりします。自分は「花魁ってそういう喋り方なのか」と思ったんですが、その口調がほぼほぼ今話のギャルノーワンでして。「堕姫はギャルだったのか!」とびっくりしまして、そのせいでギャルノーワンにも強い印象が生じた次第。
そういうところに目が行っちゃったわけですが、緒乙失踪・誘拐に関する進展も見逃せませんな。角乃がついに「犯人は灰色の瞳」を陸王に告げてしまう。陸王には心当たりがありますが、角乃はそれが過去の陸王だとは知らない。陸王だけが一触即発の事態と悟ったわけで、果たしてどうなるやら。
ともかく本編。冒頭は妹:緒乙を気にする角乃というシリアスで始まるも、すぐにギャルノーワンが出てきてカオス寄りのコミカルに突入ですね。ゴジュウ戦士が次々ギャルにされてしまう。さらに陣幕のギャル乱入でして、センターはギャル姫の緒乙=シンケンレッド(変身で出る文字が「ひ」なのか、しかも丸文字)。これは、さすがに角乃が驚く。ここから角乃のみシリアス、角乃以外コミカルという流れになっていきますね。
緒乙は角乃を覚えていないらしく、さっさとシンケンレッドとしてギャルノーワンを撃退。しかし倒せてはいないので、陸王と禽次郎はギャル化したまま戻らない。ほくろの位置も数も緒乙だと確認した角乃は必死ですが、覚えてない緒乙はむしろウザがる。いろいろ問題発生ですが、緒乙はゴジュウ戦士に「ギャル修行してあげる」と言い出し、混迷を深める方向へ。
かくして緒乙のギャル講座が「テガソードの里」始まりまして、吠や竜儀も次第に乗って来る。角乃だけは気持ちを理解されないことに苛立って行ってますね。ついに角乃、テガソードの里を飛び出してしまう。この時点では自分は「角乃の気持ちがよく分かる」と思えたんですが、次第に「いや、昔通りの緒乙≒角乃の脳内の緒乙を押し付けすぎでしょ」という気がしてきます。
緒乙が今までどうしていたかがちょこっと明かされまして、事故で昏睡状態になるも、指輪を得て目覚めることができたわけでしたか。しかし、指輪を身に着けていないと維持できないものであるらしい。ずっと寝ていたから、それ以外については緒乙は分からないようですね。
緒乙が誘拐犯と疑わしき陸王を見ても平然としているのは、そのせいか。しかし、角乃は「緒乙をさらった灰色の目の男」について、緒乙との仲をとりなしに来た陸王に告げてしまう。陸王は明らかに動揺してまして、心当たりはあるようですね。しかし、誤魔化そうともしないし、言い訳もしないのは真相が単純なものではないからか?
しかし、ギャルノーワンが再び暴れ始めまして、緒乙とゴジュウジャーは角乃以外は出撃。吠も竜儀も自らギャル化してますな。変身してもギャル化したままなのか。勝負がギャル対決なんで、ギャルであることが必要だからなんだろうか。確かに、割り込んできた非ギャルの真白は一撃で退けられてますな。
巨大戦は「ギャルノーワンのかれぴっぴ サ→フ・メガ」ですか。サーファーってことはバブル期を意識してたのかな。となると、ギャルも1990年頃のデザインなんだろうか。うーん、そっち方面は全然分からんです。バブルもギャルも無縁だったからなあ。
それはともかく、ゴジュウ戦士のギャル化もつけ焼き刃でどうもギャルノーワンのペースですね。そこへ角乃登場でして、いつの間にかギャル化してたのか。どうやら、今の緒乙の生き方「今を楽しみ気持ち」を認める気になったせいらしい。もっとも、ギャルノーワンの評は「詰め込み過ぎてワケ分かんないし」で、どうやら角乃のはいろんな時期のギャルの寄せ集めになってるみたいです。
これで流れが変わりまして、等身大戦はシンケンレッド/緒乙&ユニコーン/角乃が快勝、巨大戦も吠&真白が勝利。ギャルノーワンに取り込まれてたのは、前にもときめきノーワンに取り込まれてた人ですね。地味めな感じですが、恋愛ゲーム好きの元ギャルということなのかしらん。
ともかくも勝利したし、角乃と緒乙は意気投合で仲良しになるしで、めでたしめでたし。とは行かないわけですね。ファイヤキャンドルが指輪=力を求めて乱入して来る。テガジューンに急かされ、吠に対して敗北してきたことで、どうも闇堕ちしかかってる感じです。緒乙から指輪を奪い、角乃の「その指輪がないと緒乙は」の訴えに聞く耳持たず、シンケンレッドに変身。文字は「火」を使ってますね。
えらいことになりましたが、次回「燃えるお祭り魂!テガソードSUMMER!」はみんなでお祭りに行く話らしい。初視聴時は「緒乙死んじゃった!?」と思ったもんで、そんな呑気なことでええんかと思いましたが、後でネットで調べて「緒乙は眠ってる」と知って、まあまあ納得しました。仕切り直しの余裕くらいはあるってことですね。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/08 (Tue) 23:34:14
定期感想その2です。
●SAND LAND(第2話:国王軍の秘密)
第1話は魔族のコミカルさを交えて緩んだりしてましたが、第2話は戦いを描いてるだけあって緊迫度を上げてきた感じです。冒頭に向く目を引く作りとしては、この第2話でしょうか。が、争いの意味も分かってこその面白さと思えば、第1話の準備も必要なんでしょうな。
冒頭は前話ラストの盗賊団襲撃の危機の続きですが、王子ベルゼブブがあっという間に制圧でして、ちょっとあっけないほど。もっとも、ラオの持つ銃を見せておくという伏線が大事だったのかもしれません。ベルゼブブはラオがなぜ銃を使わないか不審がる。ラオは相手の銃でひるまなければ勝ってたでしょうから、当然の疑問ですね。
ラオは弾が高いから込めてないと説明する。納得はできるんですが、ネットで調べてみるとラオの銃には実弾が込めてあるらしい。たぶん、ベルゼブブらを警戒して嘘の説明したんでしょうな。1つにはベルゼブブらが脅威に感じないように。
ベルゼブブはラオの強さを認めてますんで、銃が加わればさらに強いとなります。魔族は人間不信があるようですんで、ベルゼブブかシーフが「もしラオが裏切れば」と思う恐れは常にあるはず。が、ラオの強さがベルゼブブ以下であれば裏切るに裏切れないことになります(返り討ちに遭うから)。
もう1つは、ラオも魔族を信用しきれてないことがありそうです。魔族が人間に水を与えたと聞いて今回の依頼をしたわけですが、それ以外の安心材料はありません。シーフらから魔族についての昔の誤解とか聞いてはいますが、裏付けは取れていない。噂通りの振舞をベルゼブブらはするかもしれない。となると、戦力の切り札は隠しておくのが無難でしょう。
さらにもう1つあるとすれば、ベルゼブブらの好奇心の強さかも。前話では車に興味を示して運転したがってました。銃も遊びで撃ちたがるかもしれません。持ってる弾がすぐ底をついてしまいます。弾がないと言っておけば、興味を失ってくれる可能性大です。
銃を誤魔化したラオ、4輪パンクの車をいったん放棄して、歩きで街へ向かうことにする。シーフはふらついて不平たらたらですが、これは嘘だったようですね。ベルゼブブは見抜いていた様子ありです。シーフはこの後、サンタの衣装で街へ食料・水等を盗みに行くわけですが、行きも帰りも異様なくらい動けてます。仕事もそつなくこなした模様。
が、シーフの手柄は情報にあったようです。戦車を見つけたということですね。街から盗むことに難色を示したラオも国王軍の装備なら、むしろ積極的。何らかの強い反感があるんでしょうな。ラオが戦車を奪いに行くわけですが、ドラマ作りの段取りの良さを感じました。ここでシーフがサンタコスプレしたことが役立とうとは。
シーフはサンタ帽でヘアスタイルが乱れると愚痴を言い、後でヘアスプレー使って髪を整える。そのスプレーは紫色のミストを出してました。それを「毒ガス」と偽って、戦車兵を怯えさせ、戦車から逃げ出すよう仕向ける。ヘアスプレーは予め自然な流れで見せてもらってますんで、戦車に対して使うときには不自然さを感じません。
ラオが戦車を奪取してからの流れもなかなかのもののようです。ラオは勝手知ったるという感じで易々を戦車を動かす。起動時には「隠しスイッチが、進歩がないな」と言ってまして、以前に戦車に乗っていたこと、その当時の操作性が今もほぼそのままであることが分かります。これに国王軍への反感を加えてみますと、ラオの人物像がじわじわ見えてくる感じです。
奪った戦車には水も食料もふんだんに積んである。ということは、長時間の作戦行動を予定していたことが窺えます。ただ、この時点でよく分からないのが「反石」なる重力・重量制御装置です。車体重量を減らして燃費改善なのかな、と思いましたが、直後の登場の水運搬の飛行タンク船に説得力持たせるためかも。
あんな巨大タンク付きが飛んでるなんて、揚力では説明できませんから、重力制御技術があると示しておいたのかも。が、今話内では航空機に勝てないはずの戦車が逆転勝利する仕掛けとしてうまく使われてますな。
ラオらが乗る戦車はアレ将軍指揮の飛行タンク船に遭遇するも、いったんはやり過ごす。が、すぐに盗難戦車と気付かれ、発信機もあったことから追いつめられる。それでもラオは岩を撃った粉塵に紛れて逃れ出て、飛行タンク船に砲撃。命中はしたんですが、タンク部分ですね。中身は水ということで、国王が水源を確保していることが分かる。ラオが探す水源はそれかもしれない。
タンクを撃ち抜かれたアレ将軍は激怒、タンクを放棄して飛行船を身軽にし、戦車直上からの爆撃を狙う。戦車は真上には撃てないんで、必勝の策というわけですな。ここで「反石」が役立ちまして、戦車を目いっぱい軽くし、ベルゼブブとシーフの力で戦車を持ち上げる。これで真上に砲撃、飛行船を撃墜する。
水源は国王のものかもしれない不安はあるも、ラオらはとりあえずは水源を突き止めるべく進むことにする。が、国王軍の通信を傍受しまして、ゼウ大将軍からのもの。ラオの顔色が変わりまして、どうやらゼウ大将軍がラスボスにしてラオが恨む相手のようですね。
それにしても、久しぶりに鳥山明原作アニメを観てみますと、やはり鳥山さんは巧い作り手だと実感します。画力もあるんですけど、ドラマ作り・進め方も凄い。シーンごとに目を奪われて飽きないんですが、唐突に感じたりはしません。上述以外でも、例えばベルゼブブが今話ですぐに戦車操縦をやれたのも、前話でオフロード車の練習するシーンがあるんで不自然に感じません。
しかも、ベルゼブブが戦車操縦できることは、飛行船との戦いで必須の要素になってます。ラオとのチームワークができてることも示せてる。必然性があって無駄がありませんな。無駄がないんで、ドラマに出てくる要素の数も少なくなり、ストーリーが分かりやすくて覚えやすい。もっとも、まだ第2話ということはあるんですが、それでもこれほどすらすらストーリーを思い出せるって、あまりないように思います。
●仮面ライダーカブト(第49話/最終回;天の道)
先週分はテンポ速くてドラマがクロックアップしたかのようですが、この最終回はハイパークロックアップとなりましょうか。あれよあれよで危機が来て、速攻で解決して大団円でした。しかも、それが冒頭で圧縮して示されてました。感想もここまでで充分なのかもと思ったりもします(^^;。
しかし、ともかく本編。三島が街頭TVでワーム探知ネックレスへの協力を訴えてまして、ワーム一掃まであと僅かの模様。しかしネックレスの真の機能は人間をネイティブ化するものであると、加賀美は天道の「遺書」で知る。ならばと、加賀美は突っ走り始めるわけですね。田所も岬もそんな加賀美を捕縛しに来たようでいて、内心では最初から加賀美の背中を押す気であったらしい。
ペンダントは微弱ながら人間をネイティブに変える作用はあったようですね。だから2個持った影山はネイティブ化したし、おそらくずっと持ち続けていたZECT隊員もネイティブ化してしまっている。が、ネックレスはアンテナ機能があり、ネイティブ化を促す送信により、一気に人間をネイティブ化できると天道は伝えてきた。
そうであれば、三島らがいる施設(電波塔?)のアンテナだろうということで、加賀美が単騎で乗り込む。そこには三島のみならず、根岸もいる。渋谷隕石と思しきものもあるし、ダークカブト/擬態天道も装置の一部となっている。ZECT隊員は既にネイティブ化してる。加賀美はガタックとなって阻止を試みるも、やはりグラリス/三島には太刀打ちできず、変身解除へ。
ネイティブ化の送信準備も完了し、根岸は勝利を確信、全世界に向けて「人類をネイティブにすることにしました。愚かな人間など、もう必要ありません」と計画を知らせてしまう(この放送電波にネイティブ化促進が混ざってる模様)。うかつなような気もしますが、あと5分で済むとなれば大丈夫という読みなんでしょうな。
が、5分の差が逆転を産んじゃうわけですね。倒されたはずの加賀美がど根性出して立ち上がろうとすると、天道のいつも台詞「おばあちゃんが言っていた」。やっぱり生きてたんかいとなりますな(^^;。天道が花を隕石に投げると、なぜか隕石が燃え上がって、接続されていたケーブルも断線。もっとも、まだ隕石自体は健在らしい。
天道が演説ぶちまして、加賀美は立ち上がり、ネイティブ化していたZECT隊員は人間の姿に戻って根岸らに反抗。それでもグラリス/三島は強力でカブト&ガタックを寄せ付けないようで、ハイパーカブトでも劣勢を挽回しきれない。が、勝ったと油断したグラリスをガタックが一撃、立ち直る暇を与えずにカブト&ガタックのWライダーキックで決め。ラッキーなことに断末魔のグラリスが隕石に突っ込んで壊してくれましたな。
残るは外に逃れた根岸ですが、息を吹き返したダークカブト/擬態天道が燃え盛るビルに連れ戻しまして、たぶん両者ともこれで最期なんでしょう。ワームもネイティブもまだ残ってるはずですが、人間界に溶け込んでる者ばかりなんでしょうし、人間を殺害して乗っ取るなんてことも、もうないんでしょうな。
となって大団円のエピローグへ。「おばあちゃんは言っていた」シリーズは天道の台詞でしたか。ひよりはシェフの道へ。1年後、田所は(おそらく実家の)蕎麦屋を営み、岬はレストランチェーン「ディスカビル・コーポレーション」社長となっている(ディスカビル家~神代家再興のためらしい)。コンセプトが「剣君が愛したじいやの味」とのことで、自分はちょっと寂寞たるものありです。もう神代はいないんだなあ。
まあでも、風間は健在でゴンと仲いいし、ひよりと樹花は仲のいい姉妹になってるし、加賀美は交番勤務の巡査から警官始めてるし、天道はパリで豆腐買ってるし、で納得のラストでした。たぶん、この最終回観る前から「結末はこうなって欲しい」というのが固まってたみたいです。おそらく、加賀美陸が加賀美に泣いて謝ったときにはそう感じてたのかなと思います。
半年間、カブトの感想にお付き合いいただき、いろいろご教示を賜りまして、ありがとうございました。事前に読んだネット評ではドラマは迷走とかありまして不安もありましたが、自分的には最終回観終えてみるとドラマ面も気に入りました。そう思えるのも理解できてこそでして、たぶん1人で観てたら整理しきれなかったように思います。
次は電王来るかなあ。来て欲しいなあ。前の短期集中(1クールごとにまとめて放映)は観たんですが、どうにも駆け足になりまして。やはり、きっちり観ていくには毎週2話までが限界のようです。それでもラスボスのカイは印象的でして。ゴーバスターズのエンターがちょっとカイに似ているような気がしてまして(特にエスケイプに対する面)、ネット放映を再視聴中です。本当に印象が似てるかどうか、ゴ―バスターズ視聴の印象が強いうちに電王を観たいです。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/09 (Wed) 07:32:37
ゼッツの情報は、「サイバー物」という噂だけは流れていますね。
で、別の噂はZZZから「眠り」に関係していて、「人の悪夢の世界に飛び込んで、精神世界で悪者を倒す」という悪夢狩人という話も。
どっちにせよ、電脳空間、もしくは精神世界という異空間で戦うCGを多用した作品になりそうだな、と。
なお、これらは公式に確定した情報ではなくて、予告編の情報からの推測ってことで。
★ガヴ
敵に操られた絆斗が足を引っ張る回と思いきや、そこからの催眠克服、仲間のピンチを後から救いに来る「勝利の鍵」的な役どころで美味しかった回。
何よりも、役者さんの演技力が凄い回でした。もう、精神世界での天使(白絆斗)と悪魔(黒絆斗)と、葛藤する主人格の一人三役演技が表情の切り替えなど、うわあ、芸達者だなあ、と。
本作は、ショウマの無邪気にお菓子を食べる、本当に美味しそうな笑顔と、ダークショウマ時の淡々とした無表情演技の演じ分けもありましたし、
結構、二面性のある演じ分けを要求される役者にとって、やり甲斐のある作品。
よく、演技の基本として、喜怒哀楽の4感情をどう表現するか、というのがあって、絆斗の場合は、喜びと楽しさはあまり入ってないキャラですが(その辺はショウマ、幸果さんに役割分担)、真面目に、情熱的に、そして何かと酷い目にあうのをコミカル演技で凄惨になりすぎないようにするという、熱血、クール、コミカルの「愛されヒーロー3要素」を備えています。
一方、敵役は喜怒哀楽の喜がいないんですね。
怒はグロッタ姉さん、哀はジープ、楽はニエルブが主に担当していて、ランゴ兄さんはあまり感情を出さない抑えた演技を求められている系。
あえて言うなら、大統領とリゼルが喜び担当かな。
そんな大統領が次回、人間界に出て来ますが、脚本はサブの毛利さん、ということは、前編がコミカルテンションの高い回で、そこからのシリアス切り替わりで続く。後半は感動回につながりそう。
ともあれ、大統領が強烈な力を発揮して、ライダーたちがピンチ。そこを支援する「第三勢力と化した美味しい役回りのランゴ兄さん」という展開を期待したい。
「勘違いするな、赤ガヴ。ストマック家再興のために、一番邪魔で厄介な大統領を排除する。その次はお前だ」ぐらいのセリフがあればいいですが、果たしてどうなるか。
後は、ひだまり店主のショウマ伯父さんとのドラマがどうなるか、ですね。あまり曇らせ展開にならないよう願いつつ。
★ゴジュウジャー
ブーケ妹説は、誤解だったと認めた方がいいですね。
固執するなら、緒乙の欠けた記憶の欠片から生成されたと考えて、ブーケと緒乙が融合して完全体になるとか、考えられなくもないですが、現段階では妄想でしかない。
とりあえず、角乃の次の目的が、眠り続ける緒乙を覚醒させるため、と物語がステップアップしました。
一方、陸王の「灰色の目(金色と勘違いしてた)」疑惑が少しつながって、そこからの進展も気になるところ。
シンケンレッドがファイヤキャンドルに受け継がれたことで、個人的にはキタコレと思っています。
これで吠以外とも因縁ができた。
角乃→ファイヤキャンドル→吠という、三角関係が成立。恋愛ではないけど、関心であることには変わりない。
他には、吠に向いた矢印は多くて、クオンと真白が吠に絡み、そこに他の仲間も吠の保護者みたいな心理ポジションになってる感。
ブーケ→陸王とか、竜儀→テガソード→吠とか、感情の導線が今作のドラマを読み解くためのヒントですな。
>ギャルネタ
昭和と平成と令和の比較図に笑った。
何て本格的な講義だ、と。実にてぇてぇ。こういうのはDDですな。
ギャルといえば、チョベリグとルーズソックスだと思っていた自分の頭もアップデートされた感。
>エリート・アーイー
今回、ロボを操縦していたサーフ・メガは、元ネタがメガレンジャーなんですね。原作はネットサーフィンのイメージで、電脳空間をサーフボード型のメカで飛び回るビジュアルが一つの特徴です。
このようにロボ操縦のアーイーは、過去の戦隊のネーミングネタを持っています。
・2話:カシオス・ベアー。カシオペアからゴレンジャー。
・4話:ミツタ・ファイブとスター・ファイブ。前者はゴーゴーファイブ(主人公がタツミ5兄弟)、後者はファイブマン(星川兄弟。スターファイブは2号ロボの名でもある)。
・5話:マジ・ギレー。マジレンジャーそのままで分かりやすい。
・6話:デンジス・パーク。デンジマンの変身コード。
・7話:マイク・ゴセイック。ゴセイジャー。
・13話:チョウ・シンセー。超新星フラッシュマン。
・17話:ゴーグ・ルゴー。ゴーグルファイブの変身コード。
・18話:パット・カイザル。パトレンジャーのロボ・パトカイザーより。
別に敵アーイーが過去戦隊の技を使うとか、そういうことはないのですが、名前がテロップ表記されるだけで、どの過去戦隊が元ネタかを考えるお遊びが発生します。
リストアップすると、なかなか面白いですな。
今後、どんな名前がありそうかを考えると、サンバルカンをもじって、「サンバ・ルカン」でサンバを踊りながら戦うとか、ありそう。
とりあえず、今作は50周年記念ってことで、ユニバース戦士や、戦隊リングによる能力使用、あるいは召喚などで過去レッドをいろいろ登場させていますが、それ以外でもこういうお遊びがあるということで。
たぶん、ユニバース戦士に採用されていない戦隊をアーイーのネーミングで補完しているのかな、と思いつつ。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/09 (Wed) 08:56:04
続きです。
ええと、ディケイドこと井上正大氏が主演プロデュースしていた「ジサリス」の第2シーズンが、7月11日から隔週で、Youtubeなどでネット配信されるそうです。
公式サイトはこちら
https://pink-sfx.com/
★カブト
最終回。
特に大きな感想はないですが、最終話ならではの特殊演出(OPがなくて、スタッフ表記などは最後に流れる)がリアルタイム視聴時だと、感慨深かったなあ、と思います。
個人的には、この作品までが平成ライダー1期と思っています。
続く電王、キバ、ディケイドは「平成ライダー1.5期」。
理由は、カブトまでは多かれ少なかれ「昭和ライダーを元にアレンジした要素」がどこかしらあって、その一番の例が響鬼以外、ライダーキックがとどめ技の定番という点。
響鬼は、ライダーキックを必殺技にしなかったアマゾンライダーの要素もあるので、定番外しではあるのですが、「猛士」という組織名とかに昭和の名残がチラホラ、と。
では、電王の何が違うかというと、過去オマージュが昭和ではなくて、クウガ以降の平成ライダーなんですね。
昭和を踏襲するなら、8作めのスカイライダーやスーパー1をモチーフにしたライダーにすべきところを、電王がモデルにしたのはクウガ。
これは、一人で複数のカラーリングおよび戦闘スタイルを持つフォームチェンジを発想源にして、
クウガの赤マイティー、青ドラゴン、緑ペガサス、紫タイタンの4つに応じて、
電王も、赤ソード、青ロッド、黄アックス、紫ガンという4フォームを採用。
続くキバも、赤キバ、青ガルル、緑バッシャー、紫ドッガと、よりストレートにクウガオマージュにしていますが、
とにかく、1人で4つのフォームの使い分け、という点でクウガからの発想で生まれたライダーが、アギトを除けば電王が初だ、と。
電王を話題にする際に、最初に注目されるのは「電車モチーフの時間移動ライダー」「桃太郎などの昔話が題材」「ライダーなのに戦隊みたいなチーム構成と、憑依型バディスタイル」と様々なアイデア群で、
昭和ライダーもしくは昭和の東映ヒーローを発想の原点にしていたカブト以前の平成ライダーとは大きく異なる斬新さ。
平成ライダーらしさ、というのは、変身ベルトが外付けで改造人間ではないとか、それでも神秘の力とか、異種族バイオちっくな肉体変容とか、変身源となるモンスターとの契約とかがいろいろあって、
とりわけ昭和にない要素が「召喚と契約」というカードゲーム風な要素。
龍騎、剣、カブト、そして電王にそれらの要素は踏襲されて、要するに、「ぼくと契約して、仮面ライダーになってよ」という点が平成っぽさ。
まあ、クウガはベルトを通じて、先代クウガと契約したとも言えますし、アギトは……これは主人公が記憶喪失で、何だか神さまの光を浴びたら、いつの間にか変身できるようになっていた、という変わり種だな。
種族の進化の因子を受け入れて変身というのは、アギト→ファイズから剣に継承されて、その後は鎧武かな。平成ライダーのもう一つの流れですが、電王とは異なる話なので深くは踏み込まない。
カブトから電王への路線変更は、異種族怪人を序盤から「愛されキャラ」としてコミカルに描いた点ですね。
カブトまでは、異形の不気味さや、肉体変容の恐怖があって、怪人怖い、という前提があったのですが(その中で怪人側のドラマを描いたファイズ、剣という路線があったのが、カブトはその辺がやや掘り下げきらずに、従来の怪人=悪に帰結して、無理に話を締めくくった。ワーム、もしくはネイティブとの共存が、擬態怪人の人間社会への潜伏、帰化という形で終結。異種族許容への道は遠い)。
異種族云々の話は、今のガヴでも採用されていて、そちらはどんな結論にたどり着くかが期待ですが、さておき。
とにかく、結論として、電王辺りから、「昭和と違う平成ライダーらしさとは何か?」という命題が問われ始めて、ディケイドに到達した、と考えます。
電王からキバを挟んで、ディケイドに至る流れは、また論じる機会ができることを。
>電王のラスボス・カイ
この役者さんが、後にウルトラマン・オーブに変身するクレナイ・ガイさんになるので、いろいろと役者ネタも踏み込めそうですね。
★SAND LAND
2話も見るのを失念したので、K.Kさんの丁寧な感想で、話を追っています。
ストーリー構造としては、魔人ブゥの「強いけど無邪気な怪物少年」と、ミスターサタンみたいなおっさん(人間レベルでは強いけど、超人ではない。それなりに策士でセコい面もあるけど、義理人情は解する)のバディ道中記に見えますね。
あとは、お付きのシーフがお世話係になりますか。
Youtubeで宣伝動画を見ると、悪魔に対抗するライバル天使みたいなキャラが登場して、悪魔以上に残酷な高慢キャラになってるような。
天使と悪魔の反転ストーリーになっているようで、その辺の対比構図が見られると、ドラマが進展する感じですね。
いずれにせよ、K.Kさんの感想を楽しみにさせてもらいます。
夏は忙しくて、追跡しにくくなる可能性が高いので、自分的には無理をしない範囲で追って行けたらな、と。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/15 (Tue) 00:02:20
定期感想その1です。
「華衛士ジサリス」2期のご紹介、ありがとうございます。情報チェックしてなくて、教わらなかったら見逃すところでした。第1話観てみたんですが、特撮は前より豪華になったかなといったところ。1期では「誰がどこで何をする話なのか」がハッキリしませんで、2期ではどうなるかでしょうか。感想書けるかどうかは、第2話観てから考えようと思います。
今週は「SAND LAND」は放送お休みだったんですが、劇場版「ゲゲゲの謎」放映がありました。ネット評で聞いていた「妖怪より人間が怖い」「横溝正史作品みたい」というのは本当でした。が、怖さより感動が大きかったです。もっとも「どうしてここで、こういう感動をしたのか?」と分からない部分がありまして、ちゃんと感想書けるか、まだ自信なし。とりあえず、もう1回は録画観なおしてみるつもりです。
●仮面ライダーガヴ(第43話:人間界はどんな味?)
今話はクライマックスに向けての、いろいろな準備を仕込んできたようです。まず、ショウマの近親者:伯父の井上優ですね。大統領ボッカも人間界に乗り込んできた。ニエルブはジープのビターガヴの限界を感じ取って、次の手を打つ気配を見せてきた。
ショウマの伯父:井上優については、まずは事情を把握した絆斗が優には知らせず、ショウマにだけ伯父だと伝える。親しくなったお菓子カフェ店主が伯父ということで、ショウマは複雑な気持ちらしい。優がもう20年も探し続けている妹が、ショウマの母であり、既に死亡しているんですから当然でしょう。
絆斗はショウマのことを隠したまま、優を「はぴぱれ」に連れてくる。ショウマの反応を見ながら、どこまで明かすかを測るつもりなんでしょうな。が、優は妹みちるの失踪原因がグラニュート絡みかと思って、いろいろ調べてたようですね。その情報の中には「グラニュートは人間を食べるために攫っている」というものもある。
優としては妹みちるが既に他界している可能性は考えてはいたんでしょうけど、その最期が闇菓子のスパイス:ヒトプレスというのは心情的に受け入れらない。絆斗に問い質す態度がどんどん激情に駆られていってますね。ゴチゾウが気を利かせて(?)物音立ててくれたんで、なんとか水入りでしたが、あのままだと絆斗は押し切られて事情を話しちゃったかも。
ショウマも優の様子を見て、自分が甥だとは言い出せなくなったみたいですね。絆斗も井上みちるの死については曖昧に誤魔化すことしかできない。しかし、普段は穏やかな優も妹みちるのことになるとこれだけ激すわけですから、大統領ボッカが人間界に乗り込んできた今、どんな無茶するかと心配になります。後でショウマがお菓子カフェを訪ねたとき、優は妹の死を受け入れられない態度を見せてました。真相を知ったらどうなることやら。
その大統領ボッカですが、一応は視察と言いつつも、既に人間界を手中に収めたような気でいるつもりですね。ニエルブなどは『まずいなあ』と思っている様子があります。大統領ボッカの自信は、己が眷属バトラー含めた個人的な強さにあるらしい。バトラーはライダーには敗退したものの、人間態のラキアには(2対1ながら)圧倒してます。ボッカは2ライダーを片手で吹っ飛ばすほどの実力差。まあ、腕を振るだけでビルをぶっ壊すほどだからなあ。
ちょっと面白かったのは、ボッカには人間の都市が食べ物に見えてる点です(リゼルには下級市民向けと言い訳してますが)。無機物(石と金属)だからなんでしょうけど、リゼルは人間が住んだり使ったりするものは食べ物とは感じないみたい。おそらく、ラキアもそういう感覚なんでしょうな。
しかし、ボッカだとたぶん人間界は「童話のお菓子の家だらけだ!」みたいに思えるんでしょう。そして、そのお菓子の家には闇菓子のスパイスがいっぱい住み着いている、という感じかしらん。
ボッカは己の強さを絶対視していて、もう人間界を思うままにできるつもりでいるようですが、現時点ではいわゆる「夜郎自大」な感じもします。ランゴですと、最後には大統領命令により大規模なヒトプレス狩りを試みてましたが、それ以前は人間に気取られぬよう隠密にことを進めてました。たぶん、人間側が組織的に抵抗すると厄介と知っていたんでしょう(たぶん祖父ゾンブ・ストマックの時代からの既定路線)。
ニエルブが大統領ボッカの自信に渋い顔をしたのは、それがあるんじゃなかろうか。『そんなに易々と行くわけがない』と。もっとも、ニエルブの関心事は(酸賀と同じく)最強の者を作りたいということらしいんで、ボッカの過信による路線がその支障になるからなんでしょうな。ボッカを心配してのことではないのは、ほぼ確実かと。
ニエルブは現在、ジープ/ビターガヴの強化に努めているようですが、強さの上限は見えてきたらしい。「(ジープでは)赤ガヴには劣る。ということは、やはり手を組むべき本命は」ということですな。赤ガヴに「改造」したデンテは既にいませんし、ショウマの細胞からダークショウマを作った酸賀も死亡してから倒されてしまってます。
となると、残るはショウマ本人のみ。しかし、ショウマは研究者でもエンジニアでもないですから、どうするんだろう。まずはお菓子食わせてゴチゾウをゲットするとかかしらん。
さてどうなるかと思ったんですが、次回「まぶしくて戻らない瞬間」(OP歌詞の一部ですね)では、ショウマが人間界で最初に出会った(救ってもらった)少年:廣井始が再登場するらしい。公式サイトのちょっと長めの予告映像ではランゴが何か行動を起こす様子も見えます(変身する?)。仮面ライダーWEBには「ストマック社とは別に異世界からの脅威の発端」なんて記述があったりします。
どういう話なのか、どうにも見当つかずですが、たぶんクライマックスに向けての仕込みがまだまだあるということなんでしょう。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第21話:燃えるお祭り魂!テガソードSUMMER!)
テガソード様だからサマー(SUMMER)なのか。夏祭りが「いやさかテガソード様祭り」になっちゃうわけですな。角乃が「バカバカしいお祭り」と喜んでしまうようなものなんですが、「いやさかテガソード、様っ」と踊って祈れば何でもうまく行くんですから、さもありなん。
キャラクター間の問題もだいぶすっきりしてきた感じです。ブーケ=角乃の妹:緒乙説のほうは、前話で別に首筋のほくろが一致する緒乙が現れまして、ブーケではないと判明。そうなると、緒乙を攫った「灰色の目の男」疑惑がある陸王との仲も障壁が崩れた感じです。ブーケの一途さを素直に感じることができまして、今話では健気にすら感じます。
陸王も今話から次話にかけて「灰色の目の男」疑惑が払しょくされるようですね。陸王が「レイ」と呼ぶ人物が真犯人らしい。東映公式サイトなどによれば「具島玲」なる人物とのこと。今話では陸王の兄貴分みたいな存在らしいと描かれてましたが、詳しくは次話待ちですな。
陸王は緒乙誘拐に何らかも関わりがある可能性はあるものの、真犯人ではないということで、いよいよブーケとの間に支障なしになってきました。もっとも、恋愛関係まで至る可能性は低そうですが、例えばブーケがゴジュウジャー側につく可能性とか考えてもよさそうな感じになってきたのは、自分的には歓迎です。
一方、前に好感度上げておいて、しかし闇堕ちルートに乗っちゃったらしいのがファイヤキャンドルですね。吠との執事バトル(第9話)では、最後に「何度負けようが、俺の炎は決して消えねえ」と悟っての笑顔を見せたわけですが、勝ちたくて力を求めるようになっちゃってます(それでも卑怯な手は使わないのが救いかも)。
前話では指輪を奪われた緒乙/シンケンレッドが昏睡状態に陥っても、気にもかけない点に闇が現れだしてた感じです。今話では指輪を得て大喜びの様子はファイヤキャンドルらしさはあるものの、巨大戦で加勢に現れたシンケンオーに見限られてます。さらに、それで敗退すると、「まだ足りねえのか。力を、もっと力を!」と叫んじゃってます。
せっかく悟った自らの炎ではなく、他からの力(指輪、加勢)を求めちゃうようになるとは。これは真白が言うように「誰かが(指輪を)奪い取るまで」、ファイヤキャンドルの目は覚めないのかも。となると、今話で気力を取り戻した角乃の出番かな。
角乃が指輪奪い返して、緒乙に返せば解決になりそう。緒乙は復活するし、おそらく角乃に敗れたファイヤキャンドルも思い直してくれるはず。
ともかく本編。前話ラストの続きで、緒乙から指輪を奪ったファイヤキャンドルが去ると、黒衣の男が緒乙を攫ってしまう。目は灰色でして、角乃は前に緒乙を攫った男だと確信する。この黒衣の男を演じるのは、ゴ―バスターズで岩崎リュウジ/ブルーバスター役の馬場良馬さんだそうで。13年経って(ゼロワン客演からだと6年)、雰囲気変わってるかどうかとか、次回が楽しみです。
それにしても、緒乙が昏睡した途端、再び現れて攫うという行動がいかにも謎です。見ようによっては、ピンチを救いに来たようにも思えます。最初の拉致事件でも、もしかすると昏睡が先にあったりするのかしらん。
それはともかく、シンケンレッドの指輪を得たファイヤキャンドルは有頂天でして、念願の吠/ゴジュウウルフとの対決を画策する。舞台は夏祭りということらしい。吠らの町の町内夏祭りを乗っ取る算段でして、お祭りノーワンを送り込んで来る。
一方、ゴジュウジャーは町内夏祭りに参加するも、夏祭りもノーワンに乗っ取られてる。夏祭り対決となりますが、角乃はせっかく再会の緒乙を奪われて意気消沈。陸王は「レイさん」なる誰かが気になって探しているらしく、心ここに在らずで不調(お目めパチパチで一途なブーケを振っちゃうしなあ)。禽次郎と真白は、まあ単純にズレてるだけですね(^^;。
一方、ノーワン側の屋台は人だかり。ですが、食い物にヤバいものを混入させてるらしい。闇菓子みたいなもんなんでしょうね。が、「いやさかテガソード、様っ♪」で祓えちゃうのか。竜儀、絶好調みたいですね。ようやく夏祭りにやって来た角乃も元気をもらったらしく、立ち直ったようですね。いやさかテガソード様のご利益畏るべし。
そこへファイヤキャンドルが乗り込んで来ましてバトルへ。変な夏祭りになったと悔いていた禽次郎/イーグルは角乃に感化されて「全ての人を元気にさせるバカバカしさ」で立ち直り、お祭りノーワンを撃破。ファイヤキャンドル vs 吠/ウルフは等身大戦で決着つかず巨大戦へ移行。なんですが、シンケンオーが加勢に来る。ファイヤキャンドル、指輪に選ばれる奇跡のみならず、巨大ロボの加護まで得たか、という感じですね。
しかし、それも「いやさかテガソード、様っ♪」の前には無力なのか(^^;。シンケンオーはテガソードの光を受けて寝返りまして、ファイヤキャンドルに快勝。えーと、シンケンオーが付けていた黒い仮面が光を受けて割れたわけですが、あの仮面がシンケンオーを操っていたということでいいのかしらん。となると、仮面付けたの誰、ということになりそう。
光を受けて正気に返ったシンケンオーに対し、敗れたファイヤキャンドルは闇に落ちていくらしい。上述しましたが、炎を忘れた力を求めだしたらしい。
堕ち行くファイヤキャンドル、行方不明の緒乙が気になるところですが、次回「おトク? 迷惑? これが節約!」は節約バトルで吠が頑張るらしい。それと並行して、陸王から「灰色の目の男(具島玲)」の線も浮かび上がっていくようです。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/16 (Wed) 00:07:55
定期感想その2です。
●仮面ライダー電王(第1話:俺、参上!、第2話:ライド・オン・タイム)
今週分はジオウ時の第1・2話特集で観て、こないだの(パチスロ記念)全話放映で観てるわけですが、直近で頂いたご教示を踏まえますと面白いものがあります。電王がクウガ(平成)モチーフであるという点ですね。
カラーリングでは、クウガ赤マイティ―と電王赤ソード等の4フォームということですね(続くキバも同様の対応あるわけか)。加えて、クウガの基本にして最弱の白:グローイングと電王の白:プラットフォームというのもありますね。
ただし、意味づけはちょっと違っていて、クウガの白は戦闘準備中・省エネなのに対し、電王の白は良太郎だけのフォームといったところみたい。序盤での電王白は役立たずフォームみたいな感じですが、いずれその白で良太郎が己一人で根性出す展開が出てくる。
もし自分が平成ライダーシリーズ初回放映を追っていたら、カブトと電王での主人公像の違いに戸惑ったかもしれません。カブトの天道は最初から自信満々であり完成形でした。もっとも、その内面では泣いていたりしまして、外剛内柔と分かったりもする(クウガの五代雄介が仮面の下で泣いていたオマージュ?)。自信満々で突っ張るのは実は己を支えるためかと感じたりもしました。
終始不変の天道に対し、半人前の成長ドラマを見せてくれるのが加賀美ですな。電王での良太郎は第1話時点で外柔内柔と分かる。外と内のどっちかは剛でないとヒーローらしくない。良太郎がライダー/ヒーローとしてやっていけるか、見るからに不安な感じ。が、後々に良太郎も根性入って来る。
しかも、それでラスボス撃破するのかと思いきや、戦いとは無縁の立場に見えた姉の愛理らの身を挺しての仕掛けが発動するわけで。それが最終クールでラスボスのカイが登場してからになりますな。ですんで、最後まで観終えて初めて第1話からの全体に感動する作りになってる。
が、それは後々のことでして、ともかく今週分本編。気は優しいが力はなくて、しかも不運体質の良太郎が巻き込まれていく展開ですね。ドジ踏んで不良に絡まれ、逃げ出したところで得体のしれないパスを拾う。これが電王のライダーパスであるわけですね。これがあると異世界らしき場所の不思議な列車に行き着けるらしい。
一方、その不思議な列車(デンライナー)を降りた女性(ハナ)が紛失のライダーパスを追っている。が、パスは見つからず、代わりというわけでもないですがキーホルダーを拾う。これは良太郎をボコった不良グループの1人、テツオが大事にしていたものというわけですね。不良グループは聞き込みから良太郎がキーホルダーを拾ったと勘違い。
テツオがキーホルダーを求める気持ちに付け込んで、化け物:バットイマジンがテツオに憑依。望み(キーホルダー)を叶える代わりに、何らかの代償を出せという強制契約らしい。同じような化け物(モモタロス)が良太郎に憑りついたようなんですが、良太郎は気づかず。
こうして(?)、良太郎はハナからはパスを返せと迫られ、不良グループからはキーホルダーを返せと迫られることに。不良グループのほうは良太郎を再び痛めつけようとして、良太郎に未契約で憑依していたモモタロスの返り討ちに遭う。しかし良太郎はわけが分からず逃げ出し、ハナと遭遇。そこで「特異点」「ライダー」と矢継ぎ早の情報提示ですね。ただし単語だけ、意味はまだ分からない。
そこへテツオがキーホルダー求めて現れまして、バットイマジンとなり、良太郎もライダーに変身してバトルへ。ただし電王白:プラットフォームですね。常人離れした力はあるようですが、バットイマジンには太刀打ちできない。そこから赤のソードフォームにチェンジ、人格もモモタロスとなってイマジンを撃破と(ただし、倒せてはいない)。
良太郎はデンライナーへいざなわれるわけですが、バイトのナオミがアギトの風谷真魚役の秋山莉奈だとは、こちらで教えてもらうまで気づきませんでした。役が変わると雰囲気も変わるとはいえ、アギトであれだけ注目したキャラクターを思い出せなかったのはやはり不覚であります。
それはともかく(^^;、イマジンとは何かとか、何が起こっているかのあらましが説明される。この時点ではそれが争点であり、勝利条件となると思ったんですが、まさか終盤で守るべき者とラスボス:カイに対する必勝策が示されることになろうとは。とはいえ、まだまだ先の話ですね。
一方、バットイマジンはキーホルダーを持つ者を誰彼構わず襲い、殺害してでもキーホルダーを奪い取る。が、テツオに見せても「違う、これじゃない」。まあ、ハナが持ってますからねえ。それに気が付いた良太郎が返しに行くわけですが、不運体質なのに事がすいすい運んでますな(^^;。不良グループからは敬われ、姉の店の常連/ファン(尾崎正義)からはバッドイマジンの情報を得る。
それらのお蔭で良太郎はテツオ・バットイマジンのもとに辿り着き、キーホルダーを返す。これでバットイマジンの契約は完了、テツオを通って過去に向かってしまう。そこから歴史改変を図るというわけですね2004年12月24日、テツオが母親の死に目に会えなかった日でしたか。キーホルダーは亡き母からの最後の贈り物にして形見だったわけか。
良太郎は電王となってデンライナーに搭乗し、バッドイマジンを追う。バトルは電王が最初から赤(ソードフォーム)だっただけに等身大戦の快勝は順当に感じますが、初見では続いて巨大戦があることに少々驚きました。こちらはデンライナーを使って撃破ですね。自分はライダー物では敵は巨大化しても、(味方側)ライダーが巨大化するのはなんか好みませんが、メカを操るのならOK、歓迎です。
かくしてイマジンによる、後の世界を消し去るほどの歴史改変は防がれましたが、今度は良太郎が小改変を試みるのか。テツオを母の死に目に会わせてやるわけですな。これくらいなら後の世界に影響はないらしい。いや、たぶんテツオが不良にならないという程度の変化はあるんだろう。
そしてモモタロスと良太郎の契約となりますが、良太郎の望みは「もう少し考えること」ですか。契約先延ばしのようでありますが、それも契約と考えれば、モモタロスは良太郎に考える時間を確保する義務を負ってしまうわけか。
この第1・2話を観た感じでは、姉の店:ライブラリカフェ「ミルクディッパー」は戦いから隔離された平和な場所として維持されるように思えます。アギトでいえば美杉家ですね。
が、しかし最終クールで明らかになるのが「戦いはそこで起こっていた」なわけで。こないだの短期集中放映では思わぬ仕掛けにビックリしましたが、今度はそこを踏まえて描写がどうなっているか、注目したいと思っています。
●鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎
先に「どうしてここで、こういう感動をしたのか?」分からないと申したんですが、録画を観なおしてみると少し分かりました。この「ゲゲゲの謎」は自分にとってはヒーロー物だったようです。それもヒーロー誕生譚ですね。それがタイトルにある鬼太郎ではなく、事実上の主人公の「水木」であるのが面白いところ。
さらに、それが「墓場の鬼太郎」との対比というか、歴史改変になってるのもいい感じなんです。「墓場の鬼太郎」の「水木」は幽霊族の夫婦と遭遇し、その夫婦が死ぬと埋葬してやる(夫は後で目玉だけ復活し、後の目玉親父に)。が、赤子が地中から這い出して来る。水木は驚き、赤子を突き飛ばして逃げる(このとき赤子は左目を負傷)。
しかし、赤子が水木を慕って追ってきたため、水木は赤子;鬼太郎を憐れんで育てることにする。が、やはり妖異の子だけあっていろいろ怪異が起こる。水木は鬼太郎が持っていた切符を不思議・不審に思い、取り上げてしまう。が、それがあの世行きの切符だったもんで、水木はあの世に連れていかれる。
というのが「墓場の鬼太郎」アニメ第1話です。これだけ観てますと「うかつに妖異に触れた報い」みたいな感じなんですが、「ゲゲゲの謎」では「水木が赤子を突き飛ばしたから」という解釈をし、「赤子を突き飛ばさなかった水木だったら?」のパラレルワールドを作ったようです。
もっとも、赤子を突き飛ばさなかった水木の世界が「ゲゲゲの鬼太郎」(特に6期)であるわけで、「ゲゲゲの謎」は「なぜ水木は鬼太郎を突き飛ばさなかったか」→「如何にして水木は鬼太郎を突き飛ばさない人になったか」を描いているように思えます。
それが「友のために全てを投げ打って戦う水木」というものでして、これはもう自分にとってはヒーロー物です。それも、主人公:水木は最初は欲得ずくの人物でして、栄耀栄華を得たくて他人を踏みにじりかねないところからスタートしてます。
そういう人物になったのは、戦争に兵として行っては死地に投じられ、復員しては自分を死地に投じた者共にむさぼられたせい。自分に力さえあればそんな目に遭わないと思い、力のみを志向するようになった。ですんで、最初は水木はヒーローというよりヴィラン(の卵)といったところ。舞台は戦後しばらくの昭和31年(1956年)。
復員後に記者となっていた水木が、不死身とも超人にするとも言われる「血液製剤M」の秘密を探るべく、原料を産するとされる地方の村に赴く。「血液製剤M」を握る龍賀一族の当主:龍賀時貞が死去しての葬儀に参列するという口実ですが、水木は東京で「血液製剤M」を製造・販売する龍賀克典を後ろ盾にしている。
龍賀克典は龍賀家への入り婿で一族内では権勢はない(妻であり龍賀時貞の長女である龍賀乙米に実権がある)。「血液製剤M」原料についても知らされていない。まあ一族の蚊帳の外扱いですね。だもんで、克典は次期当主に指名されず「血液製剤M」の原料の秘密を入手しようと目論んでる。
水木が龍賀家に辿り着きますと、まず龍賀克典・乙米夫妻の一人娘:沙代に出会う。水木は沙代の鼻緒が切れたのを直してやることで、お近づきになることに成功するんですが、むしろ沙代が積極的なのがちょっと不審でした。もっとも、沙代は「都会に憬れて、田舎を嫌う少女」という感じでして、序盤ではそれほどの違和感はなし。水木が東京から来たということで、お目めキラキラになってる感じです。
そこへ和装で下駄ばきの男がやって来る。折しも、時貞の遺言で次期当主に指名された長男:時麿が変死したばかりでして、下駄ばきの男は村人に捕らえられてしまう。水木は村に来る列車で下駄ばきの男とちょっと接触があったもんで、何とかとりなす。が、龍賀家の現実権者:乙米の判断で、下駄ばきの男は怪しいとして水木は監視役を仰せつかる。
そこから水木と下駄ばきの男は次第に仲良くなっていくんですね。下駄ばきの男を一目見た龍賀家の下男(若かりし頃のねずみ男らしい)が「げげ!」と叫んだため、水木は下駄ばきの男を「ゲゲ郎」と名付ける。これは考えようによっては「妖異に名前を与えた」ということで、契約・儀式めいた意味があるのかも。
ついにゲゲ郎は妻を探して龍賀家に行き着いたと打ち明けるようになり、水木も血液製剤Mのことを語る。これで秘密共有ですな。2人は協力して事に当たることを約束。龍賀家のほうは、次第に良からぬ秘密がありそうな匂いがしてくる。が、この時点では水木に好意を見せていた沙代、その従弟でまだ子供の時弥は別という感じ。時弥は水木ともゲゲ郎とも親しくなる。
が、龍賀家には引き続き変事起こりまして、龍賀時貞の次女:丙江が殺害される。それも高い木のテッペンにぶっ刺されるという状況で、巨大なモズのはやにえといったところ。常人ではできるはずもないわけで、妖怪の仕業を伺わせて来るわけですな。しかも、水木&ゲゲ郎は湖中の島に住み着く妖怪が狂暴化しているのを目撃したりしている(さらに、その地下に何かあるらしい)。
共に危機を乗り越えるようになった水木とゲゲ郎、互いの過去を語り合うまでになってまして、水木はゲゲ郎(夫妻)が幽霊族の末裔にして最後の生き残りと知ったりする。ゲゲ郎は人間が嫌いだったものの、妻が人間を愛し、人間界に溶け込んでいることに影響を受けて温和になったようです。
ついに水木は好意を寄せて頼って来る沙代を利用する手段に出まして、東京へ連れて行く代わりに龍賀一族の秘密を教えるよう頼む。が、沙代も詳しいことは知らないから調べると返される。
そこでついに龍賀一族の傭兵が動き出す。陰陽道の外法集団:裏鬼道衆ということらしい。リーダーの長田幻治は時貞の三女:庚子(時弥の母)の夫なんですが、長女:乙米の愛人でもある模様(むしろ本命らしい)。この辺りから一族内の関係のぐだぐださが露わになってくるんですが、後でもっとデカい爆弾ありまして、もう底が見えなくなってきます。
それはともかく、沙代を使っての水木の調査開始、ゲゲ郎の正体が幽霊族と判明したこと、さらにゲゲ郎の妻が湖中の島にいるらしいとゲゲ郎が察知したことで、実働部隊:裏鬼道衆の出動となったようです。戦いとなりますが、ゲゲ郎は緒戦は優勢ながらも、リーダー長田幻治が召喚した巨大な妖怪:狂骨には敗退して捕われる(が、裏鬼道衆に1人も死者が出てないようでして、おそらくゲゲ郎がかなり手加減した結果らしい)。
捕われたゲゲ郎は乙米の指示で妻のいる場所へ送られることになりますが、それを聞いたゲゲ郎は血液製剤Mの原料が幽霊族の血であると看破。傍らで聞いていた水木もさすがに驚愕する。水木はゲゲ郎を救うべく抵抗しますが、裏鬼道衆には敵うべくもない。
その頃、水木の依頼で一族を調べていた沙代は内情を記した資料を入手、水木に渡せとねずみ男に託す。が、直後に三女:庚子(時弥の母)に見つかってしまう。成人後の時弥を当主にすると言われて欲望が肥大していた庚子、沙代の好きにはさせぬと鬼気迫る表情に。
これが実はミスディレクションになってまして、長男:時麿、次女:丙江を殺害したのは三女:庚子と思わせる仕掛けです。夫の長田幻治は裏鬼道衆リーダーであり、巨大妖怪:狂骨を使役することができるから、常人に不可能な殺人もやってのけられる。
自分的には何か違和感ある沙代といえど、この時点でいったん疑いが解かれるわけですな。ねずみ男から資料を受け取った水木は一読して記憶すると、資料を破り捨てる。そこへ沙代が現れて「(三女)庚子叔母様まで」と言い出しまして、自分は「あれれ?」と。次の被害者は沙代ではなく、沙代に襲い掛かったと思しき庚子だった。一刻も早く東京へ逃げようとせがむ沙代、水木は応じて歩き出す。
一方、湖中の島の地下に連れてこられたゲゲ郎、連れ込まれた広大な地下室には屍のような大勢が横たわっている。待ち構えていた長女:乙米が言うに「幽霊族の血を直接人間に輸血すると、生きたまま屍になってしまう」。その屍の血が「血液製剤M」の原料であるという。
村人は外から屍にする人間を連れ込む役目だったらしい。おそらく水木がここへ来るため乗った列車もそのためだったらしい。横たわる屍の中には「咳をする小さい屍と心配そうに見守る大きい屍」がいるんですが、おそらく水木が列車で見た「咳き込む子供と心配そうに見守る母親」らしい。
長女:乙米は(おそらく抵抗を防ぐため)ゲゲ郎の手足を斬り落とせと命じ、配下の男が大斧を振り上げる。そこで銃声一発、斧が弾き飛ばされる。去ったと思われた水木が助けに来てました。さらに沙代を人質にしてゲゲ郎の解放を要求。なんですが、どうやら沙代と口裏合わせての芝居らしい。この時点では「2人ともヒーローだ!」と絶望的な状況なのにテンション上がってしまいます。
が、乙米にはすぐにばれてしまう。せっかく上がったテンションですが、ここから乙米が絶望へ突き落としに来ます。沙代が「お父様(時貞)のお気に入り」だったとバラす。乙米は既に水木に対して「龍賀の女(時貞の子、孫)は時貞の子を産む役目」と明かしてまして、沙代も既にそうだったということですね(妊娠はしなかったらしい)。おそらく、沙代も時弥も龍賀時貞の孫ではなく実子となります(資料には記載されていた模様)。
さらに乙米も知らないことを水木は知ってまして、沙代に妖怪(狂骨)が憑りついてしまっていると。その力により、沙代は長男:時麿、次女:丙江、三女:庚子を殺害してしまった。ただ、水木は妖怪(狂骨)により沙代が暴走したと思ったようですが、そうではないのがさらに絶望が深い。沙代が妖怪(狂骨)を操ってたんですね。
そう打ち明けた沙代は救いを求めてか水木を見る。が、水木はついに目を逸らす。沙代を化け物と感じてしまったんでしょうな。まだ水木はヒーローになれてなかった。絶望した沙代は、ついに一族も自らも滅ぼすべく、妖怪(狂骨)を荒れ狂わさせる。これには護衛の裏鬼道衆も当たり難い模様。
長女:乙米も左目を貫かれて死亡。沙代は水木の首に手をかける。が、かろうじて生き残った裏鬼道衆リーダー:幻治が背後から沙代を刺し貫くと沙代は消滅、幻治もこと切れる。何とも救いようがない一族もこれでいなくなった。水木とゲゲ郎は幽閉された妻を救うべく、さらに奥へ進む。
ですが、そこにさらに深い絶望待ち構えてまして、どこまで行ったら解決するのかと嘆きたくなるほど。死んだはずの龍賀家当主:時貞がいるんですね。孫であり子である時弥の体を乗っ取って復活したらしい。時貞は時弥の魂は地獄へ落ちたと言ってまして、もう乙米らの悪行が霞むほどの非道です。
ただ、そういう非道こそが時貞の力の源泉らしい。狂骨は恨みから生まれる妖怪であり、時貞は狂骨を操るアイテム(誰かのどくろ)を持っている。非業の死を強いるほど、時貞の「戦力」は強化される仕組み。今の狂骨は主に血液製剤Mの原料として血を搾り取られた幽霊族の成れの果て。その中にはゲゲ郎の妻もいて、まだかろうじて生きている。
ゲゲ郎は必死に妻を捜し、ついに見つけるが虫の息。しかし、子を宿している。血を搾り取られながらも必死に守っていたらしい。自分でも未だ不思議なんですが、この映画での最大の感動ポイントがここです。ゲゲ郎の妻はゲゲ郎の回想で語られるのみでして、キャラクターへの感情移入は生じていないはず。なのに、ゲゲ郎の妻の心中が伝わって来て、物凄く悲しくて(妻の運命)、しかしちょっぴり嬉しい(宿した子)。
なんと申しますか、最大の感動を生む喜怒哀楽の配合比率ではあります。が、比率だけではデカい感動にはなりません。何か圧倒的なものがあります。ゲゲ郎を介して気持ちが伝わったのかなと考えましたが、どうもそれだけではあり得ない。ゲゲ郎はカブトの天道と同じく、最初から完成形のキャラクターでした。天道と同じく、中盤~終盤で内心の苦しみを見せはするんですが、物凄く揺れ動くとはいえません。
やはり、中盤からヒーローとしてぐんぐん上がって来た水木から伝わるものがあるのかなと思いますが、このシーンでは倒れ込んでまして動いてない。時貞のあまりの非道に対する怒りもあるのか。とかとか、未だに「なぜここで、こういう感動を?」と考え続けてる次第。
それはともかく、時貞は「子をはらんでいるなら幸い、親子3人共々、血液製剤Mの原料にしてやる」と巨大狂骨を差し向けてくる。ゲゲ郎は善戦するも、幽霊族の(怨念の)集合体たる狂骨にはついに勝てず、捕われとなる。勝ち誇る時貞ですが、ゲゲ郎は諦めない。なぜなら「相棒」(水木)が毒気にボロボロになりながらも斧を携え、時貞の背後に迫っているから。ここは実にカッコいい。
が、時貞は余裕の表情で「余を倒せば狂骨が外に飛び出るぞ(そして人間を滅ぼす)」と脅し、「会社を2つ3つ持たせてやろう」と水木を欲で釣る。序盤では水木が望んでいたものですね。が、またも水木がカッコいい。「あんた、つまんねえな!」と斧を振り下ろし、時貞とも己の欲とも決着。
そもそも、水木は他人に生殺与奪握られて苦しめられるのが嫌というのが動機でして、その嫌なものの片棒担ぐのを断固拒否するのは初志貫徹ですね。が、天も知らず、地も知らず、人も黙すですと、易きに流れたくなるのは人情です。そこを「いや、我は知っている」と道を違えないのがヒーローでありまして、自分は感動です。
水木は斧は振り下ろしましたが、砕いたのは時貞ではなく、時貞が持つ狂骨を操るどくろだけ。ただし、水木は時貞から解放された狂骨が暴走し、世界を滅ぼすことは知っている。どくろを砕く決断は、どうやら水木も持ち、解決できないでいる怨念ゆえのようです。が、それが全てというわけでもなさそうで、目の前の友人を救うことを選んだということもありそう。
なにせ巨大な狂骨はゲゲ郎の同族たる幽霊族の集合体でありますんで、ゲゲ郎(とその妻)の目の前で解放してやりたかったんでしょうな。憎き時貞は狂骨に襲われて、もういない(見えない目玉みたいなものに変化させられた)。ただし、怨念は解決できてませんので、暴走して水木の同族たる人間を滅ぼすことになる。それでも水木は友のために良しとした。ゲゲ郎はそんな友:水木に報いるべく、解放されて分散しつつある狂骨を再び集めて鎮めようとする。
折しも、ゲゲ郎の妻の中にいる胎児の泣き声に応えた、まだ狂骨となってない幽霊族の力によりできた霊毛ちゃんちゃんこができたばかり。これをゲゲ郎は「狂骨に襲われても正気を保てる」と水木に与え、妻とお腹の子を外へ連れ出して欲しいと頼んでおいて、自らに狂骨を引き寄せる。水木はそれでも一緒に逃げようと言うも、ゲゲ郎は「我が子が産まれる世界じゃ」と、守るべき理由を示す。ここもバディヒーローらしい会話でして、ジーンと来ます。
水木はこのゲゲ郎の気持ちにちゃんと応えるところが、またも自分的にツボです。身を守るちゃんちゃんこをゲゲ郎の妻に着せて逃げるんですね。地下に残ったゲゲ郎も命と引き換えに事を為すのではなく、「友よ、お主が生きる未来、この目で見とうなった」と叫んで狂骨を鎮めにかかる。この辺りは本編の水木の心情に即するものなんでしょうけど、原作の水木しげるさんが戦中・戦後で得た悟りでもあるんでしょうな。
しかし、そこからどうなったかは分からない。場面は現代に移りまして、鬼太郎・目玉親父・猫娘が最後の狂骨と対峙してます。が、目玉親父、即ち後のゲゲ郎が狂骨が時弥だと気が付く。時弥の魂は時貞が言ったような地獄には行かず、狂骨となってこの世をさまよっていたらしい。そして、ついに救われたわけですね。最後の望みは「忘れないで」というささやかなものでした。
そこから目玉親父の回想で時貞を倒した直後に戻りまして、水木は外まで脱出はしてる。が、ゲゲ郎の妻は見当たらず、水木は1人で倒れているところを消防団に救助されてます。記憶は失ってしまったらしい。つまり、ゲゲ郎らのことは覚えてないわけですね。それでうまいこと(?)「墓場の鬼太郎」での鬼太郎との出会いにつながってきます。水木は覚えてないですから、最後の幽霊族夫妻(実はゲゲ郎と妻)は初対面となる。狂骨とのことで、すっかり容貌が変わったゲゲ郎を怖がりもする。
それでも、ゲゲ郎夫妻亡きあと、地中から這い出た鬼太郎を抱き上げ、抱きしめる。これにより鬼太郎は「墓場」ではなく「ゲゲゲ」となったということらしい。この部分は鬼太郎の原作からのファンには深い感動だったようですが、自分は感動までは至らない感心だったかな。情愛についての感動のピークがゲゲ郎と妻の再会シーンだったせいもあるかもしれません。そこからはヒーローへの感動でして、ピークは狂骨との最後の対決のところ。
それでも、水木に確たるヒーロー魂ありと感じられるのは、忘れてしまっても出会えば覚えていたかのように行動できるところです。中盤から終盤にかけて、状況の陰々滅々さが深まる中で、水木が折れずにむしろ浮上してくるのはこれだったんだなと確認できたのが、不思議に後味が良かった理由かもしれません。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/16 (Wed) 00:39:03
非定期書き込みです。
TVerの「アニメ/ヒーロー」チェックしてみましたら、ライダーと戦隊の劇場版がたくさんアップされてまして驚きました。
公開はどれも1週間のようでして、これは全部観るのはなかなか大変かも。しかし観たかったものもいくつかありまして、できれば感想書けるようなら書いてみたい。
もしかすると、TV放映で録画できるものは感想後回しになったりするかも。大変だけど大歓迎。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/16 (Wed) 08:12:08
定例感想です(中身は番組改編などで定例じゃないですけど)
★ジサリス2
第一話は、秋山蓮ことラドキーパーが喋ってくれて、ジサリスとのやりとりが物語の状況説明に貢献しそう。
1期では「何も知らないヒロイン・アユカ」の視点で、「ほとんど何も教えてくれない謎の男ジサリス」が付きまとって、彼女を助けてくれたと思ったら、いきなり殺してくることで、次の世界に転生というか送り込まれる仕掛け。
視聴者としては、毎エピソードごとに舞台が変わって、アユカとともにリセットされた物語を追いかけつつも、ジサリス以外のセンティカのキャラを把握しようとしたり、ドラマの意味をつかもうとしながら流されるだけの視聴体験。
謎だけ提示しながら、答えはちっとも示してくれない多元世界の迷宮を、アユカとともに翻弄されながら、断片的な手がかりから想像を膨らませつつ、アクションは楽しんでた。
センティカはチームのように考えていたら、敵対する間柄というのもあって、何となく分かるのは、センティカは多元世界の秩序を守る戦士だけど、ジサリスはどうもトラブルメーカーというか、裏切り者の混沌要素というか、表面的な秩序維持以上の目的のために偽悪ぶって活動しているように思う。
我々の役者イメージでは、ディケイドやジンガの方向性や共通点を判断材料に考える面もあって、「次元の旅人にして、世界に破壊と混乱をもたらすイレギュラーな存在」「偽悪ぶっているけど、彼なりの義理人情や大義は示しながら、ピカレスクヒーローのドラマを提示」「世界そのものが謎に満ちており、その探究ストーリーが視聴者の導引になっている」
そういうのが1期でした。
そして2期は、視点キャラがアユカではなく、ジサリス自身からスタートした形で、ラドキーパーとの会話から少しは謎が解明されるのか、と思ったら、すぐに戦闘に突入。
組織の刺客らしい女センティカが、前期のラストに引き続いて襲ってきて、続く、と。
今後は、誰が味方で、誰が敵なのかの整理が必要ですね。
少なくとも、謎の監視人みたいだったラドキーパーが、プライベートではジサリスと気さくに話す友人だということは分かった。
戦闘力はなさそうだけど、知識や情報はいろいろ持ってそうなので、物語の背景の解説役になってくれることを期待したいです。
★ガヴ
今回の毛利さん脚本は、予想と違って、1話完結の大統領顔見せ編と言ったところですね。
あと、ショウマ伯父の井上優さんとの絡みが進展して、ショウマの家族に関するドラマが終盤の鍵かな、と。
で、次回は「八手三郎」脚本。
これは特定個人ではなく、元々は「プロデューサーとか監督とか、東映特撮ヒーローものの重鎮制作関係者の共同ペンネーム」ですね。
内容は、これまでの総集編と、物語の背景設定の再確認および追加情報、そして25日に公開される劇場版の宣伝の3本柱っぽいです。
「異世界からの脅威」は劇場版ネタですね。
そちらでは、ストマック社の面々が全員健在で、強敵相手にピンチのショウマを助けてくれる「きれいなストマック家」みたいな描写ですが、何となくショウマの夢オチみたいな雰囲気も感じます。
パラレルワールドだったら、異世界の幸果さんが変身したりするようなサプライズもあったりするかもしれないですし、
新ライダー・ゼッツの初登場もあるようで、10日後が楽しみだ。
★ゴジュウジャー
灰色眼の男は、陸王自身ではなく、陸王の兄貴分に当たるキャラと判明。
吠だけでなく、陸王にも面倒くさそうな兄貴キャラがいたのか。
で、緒乙を回収して行きましたな。
何となく、次に緒乙が出てくるときには、シンケンレッド以外の別リングを着けて、また別人格に切り替わってるんじゃないかな、と妄想したり。
マジレンジャーのリングで魔法少女バージョンの緒乙とか、出ないかなあ。
それはともかく、夏祭りですな。
驚いたのは、出店の背景に「歴代戦隊ヒーローのお面」がズラリと並んでる光景。
ええと、戦隊ヒーローって、この世界ではお面のキャラクターとして認知されてる? TVのヒーローではないにしても、天狗面や鬼の面みたいな妖怪伝承の類として扱われている?
戦隊考古学が個人の趣味ではなく、公式の学問として認知されているなら、民俗学の一環として「伝承の英雄」という形で戦隊ヒーローがお祭りキャラとして見なされても普通か。
そもそも、この世界はテガソード様が構築したものだから、祭りの会場限定で戦隊エッセンスを投入しても不思議では……たぶんない。
まあ、小道具さんの「こういう絵面が面白そう」精神の発露で、細かい設定は深く考えていないと思われますが、
元総理がドンモモの国で、町内会の会長もきっと戦隊に詳しいのだろう。
で、これでお面屋の店主が、往歳さんの関係者とか、別のユニバース戦士だったら笑うんだけど。
ともあれ、元々は本当にテガソード様や過去の戦隊を祀るお祭りだったのが、伝承が失伝していたのを、竜儀さんが民間学者として祭りの本義を説得したのかもしれませんな。
テガソードが何の神かと言えば、世界の創造神と語るよりも、悪鬼退散の武神の類と解説する方が通りが良さそうですな。
ブライダンという悪鬼の類が祭りを乗っ取って、地元の伝統を破壊しようとしている(嘘じゃない)。
戦隊考古学にも伝承されているテガソード様を祀り讃えることで、悪鬼を追い払い、町の伝統と平和を守ろうではありませんか、いやさか……と竜儀さんが熱く語って、音頭をとるとともに、資料を提供し、企画を短時間にまとめ上げた。
何だかよく分からないけど、地元の祭りを不埒な他所者の手から奪い返し、盛り上げてくれるなら……という勢いで、「い・や・さ・か テガソードッ、(サマッ)」のお祭り騒ぎが始まって、本当に悪鬼の呪いが晴れた。
ご利益的面ってことで、この街のテガソード信仰が大いに盛り上がった、とさ。
うん、こんな話ですね、きっと(笑)。
個人的には「サマッ」という言葉を「それッ」とか「はいッ」という合いの手的に入れて、リズムを作っているノリに感心です。
これでテガソードを様づけで呼んでいるのは竜儀1人であり、他の参加者は、地元のゆるキャラみたいな感覚で「いやさかテガソード」と唱和している形。
神として崇敬ではなく、イベントキャラとしてノリに合わせよう感覚? 阪神の試合で、別にファンじゃなくても、六甲おろしを周りに合わせて合唱とか、盆踊りで「アラレちゃん音頭」とか(80年代)が流れたようなもんですか。
最近は、うちの地元では「マツケンサンバ」が流れてたりしましたが、少しぐらいダサくても、ノリのいい方が勝つわけですな、祭りってのは。
それにしても、竜儀さんの太鼓のバチさばきがいいですな。ピアノも弾けるし、実は音楽関係とかリズム感が抜群なキャラ?
このまま鍛えると、音撃の鬼になっても通用しそうです。
で、シンケンオーもお面をかぶって(お面推しの回)、悪役としてファイヤキャンドルさんの支援に駆けつけたら、テガソード祭りの声援に感化されて、お面が割れて味方になりました。
とりあえず、テガソードの加護は、ブライダンの呪縛を解除する特殊効果があることは確定、と。
次回は、お祭り騒ぎから一転、節約ナンバーワンって、ツッコミどころの多そうな回ですな。
今回はここまで。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/16 (Wed) 09:27:13
TVerの劇場版について
ラインナップを確認しました。
鑑賞上のご注意というか、所感をば。
まず、ほとんどが夏映画ですね。
たった一つ、夏じゃなく冬映画だったのがゼロワン。夏はコロナ禍で上映できなかったので。
この作品は80分と長い作品ですが、お勧め筆頭になります。理由は、唯一のTV版の重要な後日譚だからです。
TV版のラストは、イズの破壊で闇堕ちした或人が自分を取り戻して、イズの2号機を作っての再出発ですが、イズの闇のコピーであるアズは健在で、いろいろと未完結な終わり方でした。
そこからの真の最終回に当たるのが、この作品になります。
元のイズとは違うという点で、イズ2号に不満を抱いてギクシャクした或人とイズの関係にドラマの焦点を当てつつ、光と闇の狭間で葛藤を続ける或人のドラマ。
それを心配する仲間たちと、それから思い悩むイズ2号の話。
しかし、イズ2号が先代のメモリを発見し、それを組み込むことで、完全体になって自ら仮面ライダーゼロツーに変身。
或人を助けて、ゼロワン或人と、ゼロツーイズのコンビで、敵を倒すクライマックスは、これぞイズのファンが見たかった大団円、と考えます。
あとは、電王映画がタイムリーにお勧めでしょうか。
こちらはゲスト敵の牙王が、牙狼の鋼牙父の冴島大河役の渡辺裕之さんってことで、見る価値があります。
良太郎が子供になったり(通称・小太郎)、5人目のイマジン・ジークと劇場版限定のウイングフォームが登場したり、TVとのリンクが強い話だったり、TVを追ううえでの重要度はかなり高いです。
他はまあ、好みに合わせてって感じですが、タイパを考えるなら、ライダーより戦隊をお勧めします。
夏映画は、戦隊が30分で、ライダーは1時間。大体は、重いドラマのライダーの前菜として、軽快なアクション主体のテンポ良いヒーロー譚である戦隊が上映されます。
よって、ドラマをじっくり見たいならライダーという選択になるのですが、いかんせん話が重くて、続けて見るには非常に疲れる。
だから、限られた時間で本数を見るなら、戦隊の方がサクサク見ることができて、スナック菓子感覚で消化できる。
戦隊はストーリーが単純明快な勧善懲悪で、陽性の作風で明朗快活なヒーローとしてシンプル。
では、何が重要かといえば、TVよりも派手で大掛かりなアクションと、劇場版限定のロボ特撮で、見た目が豪華で盛り上がる。
上映スタイルとしては、「戦隊でパッとお祭り的に盛り上げて勢いを付けてから、ライダーのシリアスなドラマ展開に引き込む流れ」が定番。
だから、疲れているときには、軽い戦隊で勢いがつく。
じっくりストーリーに浸りたいときは、ライダーを覚悟を決めて見る。
ただし、電王映画は、戦隊色が濃厚なので、軽く楽しめます。
でも、戦隊でドラマを見たい場合は、キングオージャーがお勧めです。死の世界ハーカバーカにまつわる話で、TVの終盤ともリンクしていて、非常に味わい深い作品なのに、30分。
幻想的で非常に密度の高い一本でした。初代シュゴッダム王との因縁とか、戦隊なのに非常に厳かな作品ってことで。
前提条件がなければ、Wの夏映画をプッシュするところですが、そちらはたぶん、既に鑑賞済みだったと記憶します。
まあ、視聴作品を決めるうえでの参考になれば、と。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/19 (Sat) 14:06:53
★仮面ライダー電王について
カブトに引き続き、すぐに配信開始された電王ですが、当時はかなり異色作だったものの、後の平成および令和ライダーのスタンダードになっていく要素をいろいろ投入した革命的な作品という位置づけですね。
平成ライダーは最初のクウガからして、画期的な要素を加えながら進化発展していったわけですが、5作めの『剣』で一度それまでの総決算という位置づけにしたものの、途中の路線変更もあって、いまいちスッキリしない作品になった。
そして、次作の『響鬼』で、「もう仮面ライダーは終わらせて、新しい企画にしよう」というスタート地点から、いろいろ新規軸を用意したものの、これも途中の路線変更によって、賛否両論を招くことになった。
響鬼の新機軸を羅列すると、こうなりますね。
・ライダーキックを使わずに、音撃という楽器(道具、武器)で相手を倒す。
・敵が巨大な魔物である。
・バイクにはほとんど乗らない。
・平成ライダーにありがちな、ライダー同士の戦いがほぼなく、全員がチームである。
・ライダーと、少年(非戦闘員)のダブル主人公の関係を重視した作劇である。
で、この要素は響鬼という作品の「平成ライダーと異なる独自性」で、かなり大きな革命要素でしたが、続く『カブト』にはそのまま踏襲されることなく、そこだけ浮いた設定ではあったのですが、
2年後の『電王』で、改めて採用していったわけですね。
つまり、響鬼がついて、電王がこねたお餅みたいなもの。それを食べたのがディケイドになるのかな、とは思いますが、順に確認します。
1.ライダーキックについて
平成ライダーの1号であるクウガは、フォームチェンジによって多彩な武器と能力特性を持ったライダーで、格闘戦のマイティー、素早さと棒術のドラゴン、遠隔攻撃と知覚のペガサス、防御特化で斬撃のタイタンの4フォームのヴァリエーションが基本。
そこに後から強化型のライジング、アメイジング、アルティメットと進化していくわけですが、基本フォームのマイティーがライダーキックを使うわけで、「他の武器も使うけど、大技はライダーキック」となるわけですね。
なお、ライダーキックをとどめ技に使わなかったのは、昭和だとアマゾンライダー(とどめ技は大切断)と、BLACKの強化形態のRX(とどめ技はリボルケインによるリボルクラッシュ)で、それぞれが異端だったり、革命児だったりしますね。
響鬼をアマゾンに準えるなら、電王はRXに相当するのかな、とは思います。
で、電王は「ソードフォーム」が基本ですが、とどめ技は剣先を飛ばす『俺の必殺技パート2』。
なお、パート1はM良太郎が不良たちに放った「鉄パイプで力いっぱい殴りつける」もので、要するに「普通の剣技で力いっぱい斬りつける形式」なんですが、ソードフォームは「最初からクライマックス」と言っているように、「剣でチャンバラしている通常攻撃が、必殺技パート1」という認識だと考えます。
モモタロス状態でも、「必殺技パート1」は普通に使えますが、「パート2」は剣先が分離できる武器デンガッシャーでしか使えず、ソードフォーム専用。
ともあれ、剣先がガンダムのファンネルみたいに飛び回って、少し離れた先からでも攻撃できる中距離対応型。
ソードフォームは接近戦用と見なされることが普通ですが、必殺技は遠くからでも放てる、と。
なお、電王がライダーキックを使うのは、青のロッドフォームです。槍状のロッドで相手を刺し貫いて動けなくした後に、キックでロッドを押し込んで貫通させることでとどめ、と。
フォームチェンジで伝統的なライダーキックも持ってるのですが、ほとんど使わないので、「オールライダー」系の映画で、電王が他のライダーといっしょにキックでとどめを放つと、響鬼同様、すごく違和感を覚えます。
ともあれ、電王の玩具商品の一つである武器のデンガッシャーは、4つの分割したパーツを組み替えによって、剣、ロッド、斧、銃に変形できて、「アーマー変形」「武器の組み替えヴァリエーション」など、玩具的なプレイアビリティが非常に高い点も重要。
それまでは、登場ライダーの数の多さを商品ラインナップにしていたのが、電王ではTVのレギュラーライダーが電王とゼロノスの2人だけで、その分、1人1人のドラマと、能力ヴァリエーションを増やした形式ですね。
2.敵が巨大化する、および3.バイク事情
電王が戦隊的と言われる要因の一つ。
大型メカであるデンライナーの見せ場を作るために、等身大で倒された敵が巨大化します。
巨大敵のヴァリエーションは、空戦型と陸戦型2種の3体だけですが、これ以降はCGによる巨大メカ戦を見せ場とする平成ライダーも散見されるようになりました。
どうして、電車を採用したかの理由が、「平成の子どもたちはバイクに対する憧れが、昭和の時代に比べてあまりなくて、ゲームの『電車でGO』などの影響もあって、電車が一番身近で人気のある乗り物だった』というアンケート結果だからだそうです。
そして、平成のヒーロー感の一つに、「自らが率先して戦うよりも、仲間に対する司令塔として、ポケモンや召喚モンスターを率いる部隊長になりたい」という子どもの価値観の変化というのもあるわけですね。
ケンカで強いのがヒーローなのではなくて、ケンカを止めることのできるのがヒーロー。だから、良太郎はケンカが弱いけど、メンタルが激強で、信念は曲げない。押しは弱いけど、芯の部分が最強という設定。
で、バイクと電車の違いですけど、結局、バイクって子どもが乗れないんですね。自転車で代行して、ごっこ遊びに使っていた記憶が昭和時代にはありましたが、一方の電車はゲームでも乗るし、リアルでも乗れるし、玩具もプラレールとかで馴染み深い。
バイクは一部の大人の趣味だけど、電車は子どもにとっても、身近でワクワクする乗り物ということで、採用された。
ただし、仮面ライダーといえばバイク、という意見も根強いので、デンライナーの操縦席にバイクが設置されている仕様で、バイクを操る感覚でデンライナーを操作できる。
考えた人は偉いなあ、と思いますね。
で、電車の魅力は、ただの移動手段でなく、メカバトルにも活かそうとか、デンライナーの玩具の魅力はボタン一発で、内装の武器がパカッパカッと展開する点にもあります。
前作カブトでは、ボタン一発でキャストオフする人形が人気の反面、バイクもキャストオフして変形する仕様だったのにあまり売れなかった。劇中で活躍する機会が少なかった点もありますが、そもそもバイクが玩具としても売れにくくなったらしいですね。
ゴウラムを装着するクウガのトライチェイサー、サーフボード型に変形するアギトのマシントルネイダー、ドラゴンが変形する龍騎のドラグランザー、人型ロボに変形するファイズのオートバジンまではギミックも込みで人気があったのですが、剣以降は道路交通法の影響でバイクを使った撮影も通常道路では行えなくなり、私道かレース場を借りるか、CGを使うしか、バイクアクションができなくなった事情もあります。
たまに劇場版だと、ロケ地を使ってバイクアクションがあったりしますが、TVの特撮でCG抜きに生のバイクシーンはまず見られなくなりましたな。
なお、これは戦隊も事情は同じですが、そういう国内事情はアメリカでは関係ないので、パワーレンジャーの方では向こうのオリジナルバイクを登場させて、日本では見られないバイクアクションで盛り上がったりもしています。
ともあれ、特撮におけるバイクは、昭和時代は「手軽に撮影できる乗り物」だったのが、21世紀では「手軽じゃない」ということになり、だったらCGで……という意見もありますが、「バイクと運転者のアクションシーン」をCGにするのは非常に手が掛かるようですね。
電車のような箱型の乗り物はCG映像にするのも容易ですが、バイクって細かいパーツも多く、乗っているライダーもCGにしないといけなくて、手間の割に派手な絵面が見せにくい。
まあ、不可能でないのは、『牙狼』の魔導馬・轟天に騎乗した魔戒騎士の例からも分かるのですが、牙狼と東映特撮だと撮影時間や映像編集の時間的な制約も全然違うみたいですからね。
戦隊メカのノウハウがデンライナーには活用できるけど、バイクの細かい動きには活かしにくいなど、この辺の試行錯誤もいろいろあったのでしょうな。
CGと言えば、電王当時に制作者がアピールしていたのが、電王の変身。
プラットフォームになった後、アーマーパーツが空中をクルクル回りながら、装着されていき、最後にデンカメンが顔のレール状の中心ラインを電車が駅に入るようにスッと入ってきて、電車のドアが開くように、桃がパカッと割れる映像をインタビューで熱く語っていました。
プラットフォームのレール状の装飾をそういう風に活かしているのかあ、と面白く感じましたね。
4.チーム制
平成ライダーは複数ライダーがいても、日常的につるんでいるのは2人ぐらいで、3人以上のライダーが同じ拠点で日常シーンを共にしているケースは稀ですね。
大体、食堂や喫茶店を主人公の身内が経営しているか、たまに自宅もしくは居候先があるか、で、生活シーンがあるわけですが、所属先がそれぞれ異なっていることも多く、
主人公ライダーと、ヒロイン、コミカル担当の助手役の3人ぐらいの日常シーン。
これが戦隊だと、5人に司令ポジションの1人がいて、大体は6人以上が同席する基地と、そのカモフラージュ食堂とかがあって、広いセットが定番ですが、
ライダーの日常で5人以上のキャラが同席しているケースは稀。
それを初めてやったのは、響鬼ですな。ヒビキ、イブキ、トドロキ、ザンキに、立花さんや娘さんたちなど、食堂シーンにライダーとバックアップ要員がいろいろいて、そこに明日夢やモッチーなどもいたりもして、学園シーンと食堂シーンが大体の日常舞台。
カブトの場合は、天道家と、ひよりの務める食堂と、田所チームの拠点の3ヶ所が主な日常舞台。
食堂が大体、人の出入りが多いですが、登場ライダーの多さの割に、全員が一堂に会する機会はなかったですな。
だからこそ、最後にみんなで食堂で後日譚を語るシーンは祝宴って感じですが、そこにいたのはひより、樹花、田所さん、岬さん、蓮華、風間、ゴンといったサブキャラだけで、加賀美は警官としての職務中、天道はパリに、という形。
で、電王はお姉さんの喫茶店と、デンライナーの車内が日常シーンになりますが、後者はタロスがどんどん増えていき、
良太郎、ハナ、ナオミ、オーナー、モモ、ウラ、キン、リュウの常時8人がたむろして、非常に賑やかなことになりますな。
第2話時点でも、モモまでの5人がデンライナーにいる形だし、基本は3人チームの日常が多い平成ライダーでもトップクラスの賑やかさ。
これに匹敵するのは、フォーゼの仮面ライダー部ぐらいだと思ってますが、とにかく常時5人以上のキャラが集まっているのは、響鬼から電王の特徴かな、と。
なお、ガヴはショウマ、幸果、絆斗、ラキアの4人体制で、デンテ叔父さんがいたときは最大5人でしたが、一方でストマック家の方が最初は5人だったのが、ずいぶん減ってきた形ですね。
ともあれ、5人以上のキャラが常時、行動を共にしているのは戦隊の特徴と言えて、ライダーではそこまで同時に集まる作品はレアな方になります。
5.ダブル主人公
平成ライダーは、最初のクウガから五代と一条さんのバディ関係を強調していましたが、あくまで主役とバックアップのサポーター関係ですね。
ライダー同士のバディだと、龍騎の城戸真司と秋山蓮の関係性があって、
その延長に加賀美と天道なども来るのかな、と考えます。
一方、ヒビキさんと明日夢の師弟関係はレアなパターンですが、戦士と非戦闘員という意味では、天道と初期の加賀美に通じる関係、と。
加賀美は、アギトの氷川誠の系譜であるとともに、明日夢から引き継いだ要素もありそうです。
そして明日夢の後継者は良太郎と考えることもできて、モモタロスなどのイマジンが鬼でもあるし、ヒビキさんたちに通じるポジションか、と。
要は日常主人公と、サポート役の戦闘要員ですね。
この頼りない少年主人公をバックアップする怪異、非日常キャラというのは、少年マンガの定番でもありますし(のび太とドラえもん)、これで怪異が増えてくると、常識人少年が苦労人キャラにもなっていく。
平成ライダーではこの後、翔太郎とフィリップ、火野映司とアンクなど、人情家のメイン主人公と、偽悪っぽい異能力キャラのバディ物が増えてくるわけですが、
バディ物だと、キャラソングもデュエット物が多くなって、電王の場合、特に良太郎と各タロスそれぞれで『Wアクション』という戦闘ソングのアレンジバージョンが作られて、各フォームの活躍シーンを彩ったりも。
で、とにかく良太郎を中心にした多彩なバディ関係、そしてイマジン同士の声優コントドラマが中盤以降の魅力につながるわけですが、
佐藤健のマルチな演じ分けとか、ボケるイマジンに対して、遠慮しつつもツッコミ担当の良太郎とか、それまでの平成ライダーでは浮きがちだったコミカル要素が、デンライナーというリアルとは切り離された不思議空間だと、問題なく機能するという作劇上の転換も大きいですね。
一応、「響鬼」から「電王」に継承された革命的要素の話を、今回は語ってみましたが、それまでの試行錯誤や迷走が、ここに来て開花したのが電王だと考えているってことで。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/21 (Mon) 23:14:42
定期感想その1です。
●TVerの劇場版
なんとか全て視聴しました。観る順番としては、こちらでお勧めして頂いた2作品をまず観て、残りを気になる順で。
・仮面ライダーゼロワン REAL×TIME
これが筆頭であるわけですが、真っ先に観て納得です。感動しました。冒頭は「どうなってんの?」となりますが、観ていくと分かる仕掛けですね。そして失われたイズが帰って来る。イズの帰還はこちらでのご教示もあり、事前知識としてあったんですが、少し不安でもありました。
TV本編ラストで登場の新イズにも期待するものがあったからです。或人のギャグにもえっちらおっちらついて行くようになり、「このイズと(番組終了後も)ドラマを続けていく」と想像をたくましくするものがありました。しかし元のイズが戻って来ると、新イズはいなかったかのようにならないか。
そういう不安でしたが杞憂でした。元のイズが新イズと入れ替わるのではなく、己(元のイズ)を伝えて去るわけですね。だから新イズは全く失われていない。が、ヒューマギアですから、新イズに伝えられたものが元のイズそのものということも分かる。誰も損なわれずにイズが帰って来たと実感しました。
そこはゼロワン再放映を視聴して、ようやくイズロスを感じられた後だから分かったように思います。初回放映時の「もしコロナ禍がなかったら『本来は』こうなってたか?」の思い違いを払拭してなかったら、この劇場版でのイズに感動できなかったかもしれません。
・仮面ライダー電王 俺、誕生!
これはTV本編を一応は観終えてましたんで、理解し納得して観ることができました。第27話と第28話の間にこういうことがあった、ということですな。確かにTVと劇場版が連動してまして、ガッチャードでも同じ狙いで劇場版作ってましたね(ガッチャードのほうが連動の踏み込みが深いかも)。
連動とはされてませんが、WでのTV本編終盤時の劇場版だと観てるかどうかでTV本編の解釈が違ってくる仕掛けがありました。「仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」ですね。ネット放映時は同時期に劇場版も見せてくれまして、フィリップが言う「悪魔」の意味・ニュアンス・気持ちが、劇場版前提とTV本編のみで異なる感じがして面白かった。
電王の劇場版ですと、そこまでの差はなかったように思いますが、なにせTV本編が駆け足視聴でして。今回の週2話でじっくり観て確認したいと思います。
・王様戦隊キングオージャー アドベンチャー・ヘブン
TV本編でギラが正式に王位に就く直前の話ということで、興味がありました。が、TV本編初視聴時ですと「観てなくても物語は分かるみたい」と思ってました。しかし、約30分の短いものとはいえ、観てみるとTV本編の理解が深まりますね。
いや、理解というよりキャラクターの印象とか実感と言ったほうがいいかも。特にハーカバーカの案内人デボニカですね。根っこの性分が(TV本編で)思ってたより、ずっと軽い。逆にトウフの前大殿イロキはTV本編そのままのイメージ。
残念なことにこちらのローカル局のSHT再放映枠が時代劇に変わっちゃいまして。次の戦隊はキングオージャーになるはずだっただけに残念です。東映公式Youtubeでのキングオージャー放映で、この劇場版を踏まえての見え方がどう変わるかを確かめたい。
・仮面ライダービルド Be The One
これも、どんなものなのかという興味がありました。放映時期からすると、TV本編ではエボルトとの最終決戦に入ってるタイミングですね。しかし劇場版の内容がTV本編に影響したように感じられない。映画とTVが並行世界というわけでもなさそう。
どうなってるのかと思いましたが、観てみると納得。エボルトの同族が「違う、そうじゃない」と割り込んできたのを、エボルトが面従腹背でうまいこと追っ払ったというものでしたか。エボルトとしては邪魔者を始末したわけだから、邪魔者の影響も残ってるわけないと。納得です。
他の劇場版はギーツ「4人のエースと黒狐」含め、楽しいという感じですね。それだけでなく、いずれもTV本編を観ているから楽しさが分かり、劇場版を観てみるとTV本編の味わいが深くなるというものになってますな。TVerがSHT映画特集してくれて、非常にありがたく感じた次第です。
●仮面ライダーガヴ(第44話:まぶしくて戻らない瞬間)
前話の予告時点では「なんだろう、これは?」と思ったんですが、こちらで「総集編・背景設定の再確認および追加情報・劇場版の宣伝の3本柱」と伺い、そういうことかと。観てみると、まさにその通りでした。だから脚本家が共同ペンネームの「八手三郎」なのか。
総集編とはいっても、第1話の少年やクランクアップしたグロッタを再招聘しての追加部分もありまして、力が入ってますね。ランゴに関する重大情報が明かされたりしますんで、単なる編集ではないと注意を引く狙いもあるのかも。本編に関する追加情報としては、
・ランゴにより父ブーシュ暗殺
・ストマック社社屋は人間界へのゲートを囲うように建設
・ニエルブは意外に強く(特に近接戦闘)、ヴァレンと対等以上
などがありましたな。今後の参考になりそう。ラストは劇場版の紹介という感じですね。劇場版ではストマック家の面々が全員健在でして、今話は「TV本編と映画では設定が違ってるよ」と制作が伝える狙いもあったのかもです。
次回タイトルは「もう誰にも奪わせない」でして、これから最終回まで歌詞からタイトルを作っていくのかしらん。もしそうなら、歌詞を見れば最終回の内容が予想できるということになりそう。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第22話:おトク? 迷惑? これが節約!)
今話は陸王が「レンさん」と呼ぶ、緒乙誘拐犯:具島玲の配役が馬場良馬さん、即ちゴ―バスターズの岩崎リュウジ/ブルーバスターということで「どんなイメージになるんだろう」と期待しながら観始めました。
そしたら冒頭で登場したユニバース戦士が、同じくゴ―バスターズのレッドバスターでして、しかも演じるのがドンブラザーズの雉野つよし/キジブラザー役の鈴木浩文さん。ちょっと頭がこんがらがりそうになりましたが、なんとも嬉しかった。ドンブラの本当の面白さが分かったのが再放映あったついこないだのことですし、ゴ―バスターズはネット放映の2周目を今熱心に観てますし。
ともかく本編。冒頭は今話のバトルテーマ「節約」をちょっと示しておいて、ファイヤキャンドルの闇化(?)ですね。ブーケは力を求めるファイヤキャンドルを心配してまして、でも陸王様に祈ってるのか。どうやらテガジューンは信仰の対象ではないらしい(^^;。ナンバーワンにならないと願いを聞いてくれないからかな?
それはともかく、ファイヤキャンドルは上述のレッドバスターの指輪を奪ってますが、物足りないらしい。これに応えるのが前に海に沈んだオルカブースターということらしいですね。
迷いが深まってるのは陸王もでして、緒乙誘拐犯:具島玲についてですが、ついに接触して来て、誘拐も事実と認める。このときに具島玲が何かそそのかして、陸王は吠らを裏切ることになったようです。そうできるのも具島玲が己を犠牲にして陸王を救ったことがあるかららしい。が、恩着せがましくありますな。それと具島玲が服用しているカプセルが気になります。
メイン対決の節約ナンバーワンも節約ノーワンが出現してサクサク運ぶ。街で節約騒ぎ起こし、そこへゴジュウ戦士が駆けつけてくる。対決にはだいたいいつも金欠の吠となるわけですね。が、やってみての節約ノーワン評は「吠の節約は目的意識がなく、ただのケチ」(性分という意味?)。
吠は「ケチ」と言われていったん凹んじゃうわけですが、家主の飯島佐織が作ってくれたパンの耳の揚げパン風の思い出で立ち直る。節約はモノの有用性の発見という面白さがある、みたいなことのようですね。
その頃、『お前こそ節約分かってないんじゃない?』と言いたくなる節約ノーワンが暴れ出す。吠との対決ではスーパーの弁当に値引きシールを自ら貼るという違法行為、今度は究極の節約と称して「人間を1人残らずこの世から節約」ですか。ちょっと笑いそうになりつつも、映画シャイニングで見た「私は妻を『矯正』しました」(矯正=殺害)を思い出すとちょっと怖くもあります。
が、ゴジュウ戦士が阻止に駆け付ける。吠は節約対決の再挑戦ですね。いや、今度はちゃんと応援団も来てますんで、前のは前哨戦だったのかも。もっとも、今回は力尽くの乱戦ですね。ファイヤキャンドルもシンケンレッドで参戦してます。それでも節約ノーワンとは曲がりなりにも節約対決にはなってまして、「50%オフ」シールで戦力半減の節約ノーワンが敗退と。
残るはファイヤキャンドル/シンケンレッドですが、いったん劣勢となったファイヤキャンドルが「なんでまだ(ゴジュウウルフに)届かねえんだ!」と激高、それに呼応したのかオルカブースターが飛来。真白だけはオルカブースターが何か分かっているらしい。力は得るが、代わりに何か失うという感じですね。
オルカを得たファイヤキャンドル、現状では最強かというくらいの大暴れとなりますが、そこへ陸王/ゴジュウレオンがやって来る。吠らへの加勢ではなく、敵味方無差別に攻撃してますな。ファイヤキャンドルですら戸惑っているようです。
次回「孤独な超新星、覚醒ウルフ!」ではオルカブースターの争奪になるようです。陸王の裏切りからの具島玲の正体とかも明らかになって来るんだろうか。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/23 (Wed) 22:54:11
定期感想その2です。
●SAND LAND(第3話:伝説と呼ばれた男)
劇場版での事前情報で「女性キャラクターが少なく、絵柄が地味」と聞いてたんですが、掛け値なしの本当にそうなってるようです。第1~第6話(悪魔の王子編)が劇場版に対応するようですんで、この第3話で半ばまで来たことになります。主人公のうち人間の爺さん:ラオに妻がいたことが明かされるんですが、セクシー女優にして歌手という設定。しかし故人となってまして、ラオは雑誌のグラビア写真を持ってるのみ。回想もほとんどありません。
主人公に関連する女性キャラクターがそういう扱いですんで、他に印象的な女性キャラクターが登場する可能性はなかったと考えるべきなんでしょうな。もっとも、それではマズいという判断なのか、第7話以降(天使の勇者編)ではアニメオリジナルのアン王女が登場するようになってるんでしょう。
第3話に戻りまして、劇場版では半ばまで来たということで、敵味方の対立がおおよそ明らかになってますね。主要争点は「水資源」で、そこに過去の因縁が加わって来る。人間の爺さん主人公ラオは以前は国王軍の将軍シバで、危険な企てをしているとされたピッチ人を国王の命により攻撃、しかし予想外の大爆発となって部隊は全滅、ラオ/シバの故郷も巻き込まれて妻も失う。
なんでそんな大爆発となったかというと、ピッチ人が極めて爆発性の高いアクアニウムを大量に所持していたから。ラオ/シバは部下も妻も失ったものの、ピッチ人の危険な企ては阻止できたと思っていた。が、魔族の爺さん主人公シーフから、それは誤りだと指摘される。ピッチ人はアクアニウムを使った水製造・供給システムを作ろうとしていた、と。
ラオ/シバは騙されていたわけですが、だとするとその黒幕は誰か。暗愚の国王のはずはなく、国王を傀儡としている大将軍ゼウしかいない。理由は水資源の独占。ピッチ人が安価な水を供給すると、水源独占でのぼろ儲けが台無しになるから。ラオ/シバにアクアニウムのことを隠して攻撃命令を出したのも、そのため。しかも、ピッチ人に大量のアクアニウムを与えたのがゼウ大将軍。ピッチ人もラオ/シバも「死人に口なし」にしておいて、世間には魔族の脅威なども交えた情報操作を行っての結果が今の現状であると。
これでラオ/シバの行動の動機も定まったことになります。背負う罪としては「妻、部下、善意のピッチ人を事実上手にかけたこと」で(同時に恨みの理由でもある)、その贖罪として「ゼウ大将軍を倒す」。第1話からの目的「水の市民への供給」は、ゼウ大将軍を倒すことで水資源へアクセスできるようになるでしょうから、ほぼ自動的に果たされる。
魔族の王子ベルゼブブと爺さんシーフはラオ/シバを助ける役割になるんでしょう。この2人は国王側に対して特別の因縁がありませんから、国王側と積極的に戦う理由がない。ラオ/シバとの個人的情誼だけが動機になるはず。ですが、そこは今のところ命懸けで戦うにはちょっと弱いかも。魔族の王子ベルゼブブにどれだけ義侠心・ヒーロー魂があるかによるんでしょうな(そして鳥山明さんはそういうのを作るのが上手い)。
しかし、それでは話が重くなりそうですから、コメディリリーフ役も登場してまして、自称悪党の「スイマーズ」。父親と息子3人の盗賊らしいんですが、名前の通り海パン姿。砂漠に似つかわしくない以前に、パッと見でコミカルと分かる仕掛け。なんですけど、トラブルメイカーも兼ねてるようで、ラストでは彼らのうかつな砲撃で、国王軍もラオらも敵の攻撃と勘違いして、全面衝突の戦闘が勃発。緒戦はラオ/シバが戦車1両で、アレ将軍麾下の敵戦車多数を撃破して続く。
ちょっとして描写で感心したりもしまして、水不足についてです。野営中にベルゼブブが小用に立とうとすると、ラオが引き留め「このトイレに」と言う。どうやら蒸留装置で、小便から真水だけを回収するものらしい。そんなことが必要なほど水不足と見せているわけで、第1話からの争点を思い出す仕掛けになってます。
●仮面ライダー電王(第3話:アウトロー・モモタロー、第4話:鬼は外!僕はマジ)
電王に至る平成ライダーの詳しいご解説、ありがとうございます。電王が昭和ライダーよりもクウガからの平成ライダーを引き継ぐ要素が濃い旨、伺っていたわけですが、それをもう少し具体的にするとそうなるということだと受け取りました。
自分はクウガは後の平成ライダーシリーズをいくつか観てからの視聴だったせいか、異質な印象がありました(アギト以降は「なるほど平成ライダーだな」となる)。剣/ブレイド以降はちょっと迷走と聞いており、そういう面もあるかなと。実際、剣/ブレイドは途中から路線変更・テコ入れですし、当初は脱ライダーを企図したらしい響鬼も同じく。
ですが今回のお話を伺ってみますと、響鬼はライダーらしからぬ要素を盛り込んだおかげで、後のライダーシリーズに作風の幅を与えてくれたという面があるようだとの理解に至りました。響鬼のネット放映視聴時は「第30話以前については、設定とか特徴とかは放棄されたのかも」とすら思ってたんですが、どうやら間違いでした。
電王がどうクウガ以降を引き継いだかはこれからじっくり観ていくつもりですが、ちょっとだけバイクに寄り道でしかも余談をば。昭和ライダーに遡りますと、初代の仮面ライダー1号・2号がバイクでやって来るヒーローというのは、自分にはとても魅力的でした。同時期で自分が好きなバロム1は、乗ってる4輪車はあまり印象が強くない。
これは自分にとって「近い将来に自分が乗る/乗れるのはバイク、車は無理」という感覚があったせいだと思います。車のほうがずっと高かったんですね。正確に申せば、バイクのほうがコスパが良い。同じ値段であれば、車よりバイクのほうがよっぽどよく走る(大型バイク>大衆車、みたいな感じ)。
ライダー以外ではハカイダーが乗っていたのが川崎の名車MACH 750SSであったりしまして、友人は「ハカイダーの乗ってる3気筒バイクが凄いんだよ」などと興奮しておりました(自分はそこまで詳しくなくorz)。なんにせよ、まだ子供でありまして、身近に感じるとはいってもバイクに手が届くはずもなく、自転車に乗ってました。
当時はバイクの代償行為で自転車ということがありまして、派手な電装(ライト、ウインカー等)で雰囲気だけ味わってました。ブレーキですと、必要もないのにバイク風にディスクブレーキだったり。その後、バイクに乗れるし買えるしになると自転車捨ててバイクへ。
が、90年前後ともなりますと車を買う・乗るのハードルが低くなりまして。天候とかに左右されるバイクに乗らなくなってきます。ライダーとしては仮面ライダーBLACK/RXのときになりまして、4輪のトライドロンが登場するのも自然な流れであったのかもしれません。一家に車1台あるのがおかしくない時代でしたし。
そうなると、バイクは好き/面白いから乗るということになってきます。クウガですと、バイクの曲乗り(?)を披露したりしてました(第4話)。以降も、自分の印象ですがバイクはライダーを強化するとかのオプションみたいな感じをよく打ち出してたような。昭和の1号・2号・V3のときみたいな、バイクに乗ってるからいいという感じが薄れたように思います。
そのせいか、ずっと後ですが車に乗る仮面ライダードライブは何の抵抗もなく受け入れられた気がします(自分はローカル局の再放送から観始めたんですが ^^;)。ただ、その頃の自分は「車→バイク→自転車」と戻って行ってまして、さらに「自分の足」へ移行します。そうなると、乗るのは公共交通機関の電車となるわけで、そのときに電王(とかトッキュウジャー)観てたら親近感湧いたはずです。
今も電王が列車に乗る点は好感度あるんですが、こちらでご指摘ある通り、運転席がバイク型というのがミスマッチのようでいて、魅力出してますな。ふと思い出したんですが、同時期のアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」では一部のロボット(ナイトメアフレーム)のコックピットがバイク型ですね(かなり前傾姿勢)。もっとも、一説によれば女性パイロットの描写映え狙いなんだとか(^^;。
脱線し過ぎました。ともかく本編なんですが、先週の第1・2話でキャラクター紹介して、今週の第3・4話で印象を深めていってるようです。同時にドラマの特徴が出て来てまして、「半人前主人公:良太郎の成長と人情劇」みたいな感じ。ちょっと前の短期集中放映のときも、序盤ではそういう作風なんだと思い込んでしまいました。
もちろん、それはそれで面白いドラマ運びでして、仮に最後までそれで通しても自分は満足したと思います。が、特に最終クールを考えますと、それ(成長&人情)が壮大なミスディレクションになってるわけで。とはいえ、どんでん返し(?)が来るのはまだまだ先。
今週のゲスト被害者(?)はミュージシャン志望の山越佑で、街金から金を奪って追われてるところを、M良太郎に救われる。暴れ足りないモモタロスは山越におだてられると乗り気になってしまい、さらなる盗みを働く気の山越の用心棒に。これにハナは激怒するし、良太郎も静かに怒りを高めていくわけですね。
一方、いったんM良太郎と別れた山越のもとにカメレオンイマジンが現れ、契約を迫る。怯えた山越は「死ぬほどの金」と応じてしまう。ここからの先週とは違うイマジンのやり方が興味深い。先週のバットイマジンは少なくとも契約者に対しては誠実でありまして、契約者のキーホルダーを執拗に捜してました。同じデザインのキーホルダーで済ますなんてことはしない。
今週のカメレオンイマジンは確かに大金を次々と持ってはきますが、契約者の判断など度外視で、自分(カメレオン)が「これなら死ぬほどだ」と勝手に判断し、強引に契約完遂としてしまう。狡猾な悪魔との取引みたいになってますね。よく考えて言葉を選ばないと、好き勝手されてしまう。
まあイマジンにしたら、実体化しておいて過去のある時点に行きたいだけですもんね。その過去の時点というのが、山越のバンドがオーディションを受け損なった日でしたか。山越が迷子を保護して警察まで連れて行ったという善行のせいでオーディションに遅刻して失格、バンドメンバーは散り散りになったと。
しかし山越は音楽活動を諦めきれず、金さえあれば再起できると思い込んで、盗みを働くようになったわけでしたか。その心の隙をカメレオンイマジンに突かれ、過去へ送り込む依り代になっちゃったと。良太郎はイマジンを追って過去に跳ぶも、モモタロスの悪行を許す気はない。非力なプラットフォームで挑むわけですが、カメレオンイマジンに敵うはずもない。
デンライナーに残ったモモタロスはヤキモキですな。設定的には「良太郎が死ぬとモモタロスも消える」からとなりますが、態度からしますと良太郎を心底心配しているようであります。つまり、もう情が移っちゃってるわけですな。モモタロス、ついに「もう二度と泥棒の味方したりしねえ!」と喚きますが、苦戦の良太郎はまだ許さない。
さすがに頑固過ぎじゃないかと思ったんですが、「ごめんなさいは?」でしたか。なるほど、それが良太郎がモモタロスに求めるケジメというわけか。これでモモタロス参戦でソードフォーム、こうなればカメレオンイマジンも敵ではなく、圧倒して撃破。
先週の人情過去改変は「親の死に目に会わせてやる」でして、今週は同じくちょっとした改変「迷子はハナが代わって面倒見て、山越をオーディションに向かわせる」ですか。もっとも、オーディション受けても不合格、バンドは解散したらしい。が、先週と同じく気持ちは救えたようで、山越は金に頼らず己の実力でプロを目指すようになったと。
そういう人情ドラマが基本なのかと思えるわけですが、不安を煽る謎の人物もちょこっと描かれるわけですね。フェルト帽をかぶり、懐中時計を片手に玄蕃をうろつく男。初見では「ディケイドの鳴滝みたいな役どころ?」と思ったんですが、全く違う立ち位置の重要人物だと、ずっと後で分かるわけですね。
が、当面の謎の人物はラストでちょっと出てきたイマジンらしき者でして、次回で登場するウラタロスのはず。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/23 (Wed) 23:34:30
定例感想です。
★ガヴ
総集編なので大きくストーリーは進みませんでしたが、ランゴの父親毒殺など、新情報が結構重いですな。
ランゴにとっては、ショウマよりも父親の方が憎い存在だったのか、と。
これじゃあ、和解と共闘はあり得ないな、と思いつつ、
ニエルブの方がショウマを誘いに来る?
大統領に対する手駒として、また興味深い研究材料として利用したい考え?
また、終盤の話がややこしくなりそうだなあ、と思いつつ、今週末は劇場版を見に行きたく。
★ゴジュウジャー
雉野、レッドバスターになる。
陸王、裏切る。
ファイヤーキャンドル、スーパーシンケンレッドになる。
サプライズ3連発だったので、正直、節約ノーワンとの戦い(メイン)がおまけのように感じられた回。
次回はオルカブースターを奪取して、ワイルドウルフになるわけか。
陸王のドラマの行く末も気にしつつ、玲さんは変身したりしないのかな。
クオンと玲さんが絡んだりする場面も出ないかな。粘着兄貴同盟とかで。
★電王(劇場版)
前回の書き込みの後で再鑑賞して、ミスに気付いた部分を訂正。
>良太郎が子供になったり
子供になるのは、後の映画の話でした。
最初の映画は、佐藤健氏の良太郎が過去の子ども良太郎と共演する流れ。
その後、佐藤健氏が忙しくなって、それでも電王映画を続けようとなった時に、ハナがコハナになったように、良太郎も「少し成長した子役」が演じればいい、という形で続いた、と。
>俺の必殺技パート1
夏の劇場版で「幻の」と称して撃ち放っていましたな。
電王の必殺技は、パスを使ってフルチャージしないと使えない仕様だったわけで、通常剣撃を必殺技パート1みたいな扱い、と語ったのは少し違う、と。
ともあれ、普段はイマジンの契約者の記憶の時間にしか行けないという制約ありのデンライナーが、劇場版では特別に恐竜時代や、江戸時代初期に向かうなど、時空を越えた冒険が豪華仕様でしたな。
もう、恐竜時代と、侍の時代がタイムスリップの2本柱だなあ、と思いつつ。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/26 (Sat) 19:53:21
定例じゃない感想です。
劇場版のガヴとゴジュウジャーを観て参りまして、多少のネタバレ込みの感想をば。
上映順は、ゴジュウジャーが前座で、ガヴが後なんですが、テレビとのリンクを考えるなら、今回はゴジュウの方が本命度が高い、と思います。
ガヴの方は、本当に「異世界の物語」なので、テレビの今のストーリーとはつながりの薄い、無関係の番外編ストーリーなわけで。
今回の両作の共通点は、世界の裏側にいる敵が出現したので、「いつもは戦っている敵キャラが、主人公や世界を守るために戦う展開」で、敵キャラファンが痺れる内容という点。
★ガヴ
上映時間はこちらが長いのですが、ドラマメインで、しかも「ガヴ本来の世界に対するパラレルワールドの紹介で、結構、尺を使う」内容でした。
一言で言えば、「ショウマが異世界に行って、そこでの自分と似た境遇のタオリンと友情を結ぶものの、次元侵略者の敵にタウリンが殺されて、仇を討つ話」です。
敵キャラは、ミューターという次元の旅人で、気に入った世界を腐らせて蝕んで破壊してしまう「ディケイドの悪役バージョン」みたいなキャラですね。
カリエスという悪のライダーと、クラープという副官科学者がいて、ガヴ本来の世界を訪れた際に、ガヴのライダーシステムを気に入って、その細胞からシステムを再現して、ガヴ同様のライダーとなったという設定。
その研究を行っているのが副官のクラープですが、研究の材料として「ガヴのオリジナル世界を破壊するのは勿体ないという理由で、よく似たパラレルワールドを見つけ出して、そこに実験施設(お菓子の家)を構築し、密かに暗躍していたという背景があります。
その実験施設から、培養体(ダークショウマ的な存在)が逃げ出して、ショウマたちの前で、謎の怪人に始末されるところから物語がスタート。
培養体の持っていた「次元を越えるパス」みたいなものをショウマが手にとったときに、謎の扉が開いて、パラレルワールドに飛ばされるショウマ。
現場に居合わせた幸果さんは、絆斗とラキアに事情を伝えますが、グラニュートと違う敵の正体はラキアにも分からない。
ただ、酸賀の研究資料の中に「グラニュートと異なる異世界の種族」に関するものがあって、世界を蝕む危険度の大きいミューターと呼ばれる種族のことが記されていました。
一方、異世界に飛ばされたショウマは、異世界の幸果さんと、彼女の下で働く記憶喪失のアルバイター・タオリンと出会います。
タオリンは、ショウマと同様に、お腹にガヴを持っている若者ですが、自分のことを何も知りません。しかし、ショウマが幸果さんとタオリンに自分のこと(異世界のグラニュートと人間のハーフであり、元の世界に帰りたいと考えていること)を話すと、幸果さんはタオリン同様にショウマのことも受け入れてくれました。
そして、物語の主題は、「タオリンの正体は何者か」になるわけですが、
異世界を散策しながら、ショウマはジープやシータと最初に遭遇。2人が人間をさらうために暗躍しているのか、と思いきや、そうではなくて、「この世界には闇菓子がなく、2人はグラニュートの世界から、ストマック社のお菓子作りのヒントを求めて、食べ歩きをしている」ことが判明。
実は、ガヴ本来の世界よりも、非常に平和なことが分かります。
以下が、異世界のキャラ設定。
・幸果さん:ショウマと同じような経緯で、記憶喪失のタオリンを拾って、面倒を見ている。性格は、本家と同じ。
・絆斗:母親がグラニュートにさらわれていなくて、健在。ライターではなくて、食べ物のデリバリーの仕事をしている。グロッタのところに出前の料理を届けに来た。こちらの絆斗より、臆病でケンカ慣れはしていないが、弱い者を見捨てることはできない程度の正義漢で、わたわた慌てながらも子どもを助けたりしている。
怪人に襲われて、気を失ったところを「夢の中に現れる謎のライダー・ゼッツ」に助けられた。
つまり、ゼッツの登場シーンは、異世界の絆斗の夢の中のみですな。本当に、ただの顔見せでしかなくて、「夢の中では無敵という悪夢狩人」と自称し、CGを駆使した「背景を歪ませる神出鬼没の戦闘スタイル」で戦ったり、ガンモードという青いフォームチェンジを披露した。過去のライダーで言えば、「仮面ライダーウィザード」風味。また、マーベルの「ドクターストレンジ」みたいな背景が歪む驚愕映像の戦闘シーンが印象的。
・ラキア:シータとジープのお付きのアルバイターにして世話係。2人を坊っちゃま嬢ちゃまと言って、苦労人の執事みたいな立ち位置。弟のコメルは健在なので、ストマック社に恨みは持っていない。
・ストマック社:グラニュート界の真っ当なお菓子会社。5兄弟が健在で、非常に仲がいい。人間界には、良質のお菓子や食べ物があるので、友好的に視察に来ていた。
この世界には、ショウマがいなくて、人間との確執は一切ない。
・ひだまり:まさかの登場。ショウマの母親が健在で、さらわれていなくて店主を務めている。小学生ぐらいの娘がいる。
母親がグラニュートにさらわれていない世界線では、ショウマの存在はないことを知り、自分の存在意義を少し悩むショウマだけど、母親が幸せな世界の方がいい、と思い直す。
しかし、この世界の平和は、気まぐれなカリエスによって破られることになります。
世界を蝕もうとする悪のライダーの出現に、ガヴに変身して迎え撃とうとしますが、自分と同じゴチゾウの力を使う強敵に苦戦するショウマ。
ただし、敵の弱点は、ゴチゾウを自分で生み出せないこと。だから、クラープの培養実験で人工的に作り出さないといけないわけですね。後でクラープが解説するのですが、カリエスのシステムは、「人間とグラニュートの遺伝子を混ぜて作った培養体に、ガヴシステムのコピーを装着させてゴチゾウを作り出すというもの」ですが、1人の培養体は1つのゴチゾウを生み出すことしかできなくて、すぐに力を使い果たして生き絶えるというもの。
その中で、タオリンは優秀だったようで、劇中でショウマ同様にゴチゾウをいくつも生成していました。
敵やタオリンの正体は、ストーリーの進展に応じて小出しにされて、「世界の謎」とともに、テレビの設定と異なる背景を興味深く描くわけですが、
敵側はこの世界での実験に飽きて、世界そのものを蝕み、崩壊させようとします。ただし、今後の実験に必要な被験体を確保するために、人々を拉致。
その中に、幸果さんやショウマ母のみちるさん、そしてシータとジープがいて、ショウマたち、そしてストマック家を敵に回すことに。
ショウマとタオリンは、双子のように意気投合しながら、幸果さんたちを助けるために、タオリンの失われた記憶から生じる断片的な情報から、敵の本拠地を突き止めます。
そして、お菓子の家の探索の末に、捕まっていた人たちを救出したものの、カリエスとクラープの襲撃にあう。ガヴに変身するショウマですが、1人ではピンチな状況で、タオリンも自分がショウマと同じ力を持っているのなら、戦う力もあるはず、と信じて、変身しようとするわけですが、ゴチゾウは生み出せても、ライダーには変身できない。ただ、グラニュート体には変身できて、ショウマと共闘するものの、力不足で敵の攻撃で致命傷を受けてしまう。
この世界の平和を託されたショウマは、魂の分身のような連れの死に慟哭して、無防備になるものの、そこに助っ人に来たのがランゴ兄さんたち。
「うちの末っ子を可愛がってくれたお返しはさせてもらう」と言って、救出されたシータとジープを切り込み隊長に、ストマック5兄弟のアクションシーンが展開。
たぶん、このシーンが本映画の目玉だと思います。もう、テレビでは見られなかった5兄弟の連携がすごく格好良くて、クラープと手下のミューター戦闘員を撃退。
ランゴ兄さんのセリフは、「シータとジープのこと」なんですが(ショウマを弟と認識していないので)、ショウマにとっては「末っ子の自分を助けに来てくれた理想の兄さん、姉さんたち」に映って、「ありがとう、ランゴ兄さん」と呟くわけですね。
一方、ボスのカリエスは、タオリンから奪ったガヴ器官でパワーアップして、世界全体を蝕む動きに出ます。
その現場に居合わせた異世界の絆斗とラキアですが、仮面ライダーではない彼らにはなす術がない。
そこにようやく異世界のパスの秘密を探り当てたオリジナルの絆斗とラキアが、次元の扉から出現。自分たちの分身を逃がすと、駆けつけてきたショウマと3人で変身。
ライダー3人とカリエスの戦闘になりますが、善戦するものの、カリエスが強くて倒せない。
そこにタオリンの形見のゴチゾウが現れて、ガヴが劇場版オリジナルの最強フォームになって、ようやく勝利を収める。
まあ、この辺の展開はお約束どおりですので、特に感じ入るものはなかったわけですが、最後に異世界の幸果さんに、タオリンの最期の話を聞かせるショウマ(形見のゴチゾウは彼女に渡す)。その後、3人ライダーは自分たちの世界に帰還して終了。
異世界の平和は守られて、一応のハッピーエンドですが、TVの展開への引きはあまりなかったかな、と。
復讐や恨みの念があれこれ募った過酷なTVと異なる、幸せな世界の平和は守られたけど、ショウマの分身と言うべきタオリンの自己犠牲が描かれたせいで、TVのショウマにも過酷なクライマックス展開が待っているのかも? と匂わせる程度ですね。
あと、期待していた異世界・幸果さんの変身はなかったです。
どちらかと言えば、ゴジュウジャーの方が、シンケンレッドになったファイヤーキャンドルの他に、マジレッドになったブーケとか、いろいろな変身が見られて楽しめたな、と。
ゴジュウジャーの感想は、次の記事に回します。
Re: 7月のスレッド(2025) - Shiny NOVA
2025/07/26 (Sat) 22:03:06
付け加えて、劇場版ゴジュウジャーです。
今回、ライダーよりも戦隊の方が、サプライズ設定がいろいろで、ガヴの方は「しみじみドラマに感じ入る」、ゴジュウの方は「おお、そう来たかと、どよめく」作品でした。
明日の放送で、ガヴの中に「タオリン」「カリエス」「ミューター」という単語が出て来たら、話が結構つなげて来ていると思いますが、たぶん、そういうリンクは薄いかな。
一方、ゴジュウジャーは、ユニバース大戦で倒された厄災絡みの敵が出て来て、9月以降の大筋に絡んで来そうな雰囲気です。
そして、厄災絡みで、最初にテガソードが倒されたことで、「それは困る」とテガジューン陣営が慌ててゴジュウジャーを支援して、人間を守るためにファイヤーキャンドル、ブーケ、そしてクオンが正義の側に立って戦うという一大祭り。
これによって、テガジューンが、「テガソードに代わって正式な神さまになる」のを目的としている(同じ目的をゴジュウポーラーも持っている)一方で、人類に対する敵対意識は持っていないことが確定した形です。
まあ、ノーワンの中には、前回の節約ノーワンみたいに「人間どもを節約だ」とか言って攻撃するのがいますが、そういうのは多分、テガジューンの意図とは違う行動なんでしょうな。
ともあれ、前述のように、正義の味方のストマック5兄弟や、正義の味方のブライダンという、もうTVの悪役が美味しく活躍する2本立てになったわけですが、
さらにゴジュウジャーの方は、人類全てがテガソードの力を与えられて、ユニバース戦隊レッドになるという描写で、人類VS厄災という設定を大々的に披露。
ここが1番の盛り上がりどころになります。
例えば、TVの準レギュラーの管理人・飯島佐織さんがタイムレッドになったり(彼女を演じる中越典子さんのリアル夫がタイムレッドの永井大という縁)、息子の碧くんがルパンレッドに変身するなど、一般人も漏れなくテガソードパワーでユニバース戦士になって、大勢のレッドが敵の戦闘員軍団と大乱戦を繰り広げる、と。
おまけに、戦闘シーンのBGMが各戦士の主題歌に合わせたメドレーになっていて、燃えます。
予告編で気になっていた「ドンモモタロウが2人、同時に画面に映っている」のも、1人は熱海常夏総理で、もう1人はゲストのサンシャイン池崎。
あと、ガッチャードの一ノ瀬宝太郎役の俳優さんがゲスト出演して、同じくガッチャとカードで変身するゴセイレッドになったり、とにかくサプライズレッドがいろいろと。
こんなクライマックスが凄いことになっているわけですが、大筋としては、厄災一派のペスティスが序盤にテガソードを倒し、その体を石化させて、コアとなる指輪を体内に封印してしまう。
この時点で、「かつて熊手真白を石化させたのも厄災の残党では?」と推測が可能になります。
敵の目的は、厄災の首領を復活させること。
よって、そのために邪魔なテガソードを封印し、その力を利用しよう、と。
非常事態を前に、テガジューンはゴジュウジャーに「テガソードを復活させるために、テガソードの体内に通じるゲートを開いて、そこでナンバーワンバトルに勝ち進め」と指示します。
その頃、厄災の戦闘員軍団が人間たちを襲い、それに応戦するブライダンとゴジュウポーラーというバトルが展開。
ガリュードこと久遠が、ゴジュウポーラーと共闘するのは凄いなあ。
そして、テガソード体内では、ゴジュウジャーと厄災のペスティス一派が、ビーチバレーをしたり、クイズ大会をしたり、トンチキなナンバーワンバトルを繰り広げながら、次々と勝利して、道を急ぐ吠たち。
尺が短いので、展開が非常に早いです。
なお、テガソードの体内には、分かりやすく標識が設置されていて、「テガソードねがいぶくろ」とか「テガソード脇の下」とか、妙な器官や標識が笑わせてくれます。
話は大掛かりなんだけど、演出は完全にギャグですな。
そして、とうとうボスのペスティスのところに到着するのですが、敵は「テガソードが弱体化したのは、人類が下らない願いのために神力を浪費したからだ」と嘲笑います。
そして、「テガソード誕生秘話」を語ってくれるんですね。
かつて、厄災が人類を滅ぼそうとしたときに、滅亡に瀕した人類が種の生存を心を合わせて願った。その願いの結晶として生まれたのが、テガソードだ、と。
今の人類は、その純粋で一途な生存本能に満ちた願いを忘れ、つまらぬ自己中な願いでバラバラのため、テガソードは力を失ったのだ、と。
しかし、「それは違うな」と吠が論破します。
「そいつはお前の勝手な理屈で、テガソードの真意じゃねえ。テガソードは人類の願いから生まれた存在と言ったな。だったら、願いの数だけ強くなるのが、テガソードだ。そうだろう、テガソード。聞いているんだろう? だったら、起きて、俺の手をつかめ」
そして、いつものノーワンから人を救出するみたいに、ペスティスの体内からテガソードの体のイメージ(コア指輪)を引きずり出します。
テガソード「ありがとう、遠野吠。お前の強い意志が、私に大切なことを思い出させてくれた。私は人類を愛している。もっと私に願いをよこすがいい。その願いが、私の力を高めてくれる!」
そんなわけで、次々と願いを叫ぶゴジュウジャー、そして世界中の人々。
人々の願いがテガソードに結集して、テガソードの真の姿、赤いテガソードオリジンに化身する。そして、テガソードが無数の指輪を生み出して、人々に力を与えていく。
「バカな。このような、つまらない願いのために、力を与えるだと!?」
吠「人の願いがつまらないかどうかは、お前が決めることじゃない。俺たちはバラバラのはぐれ者の集団だが、そこに掛ける願いは、みんな真面目で本物だ。人の願いを選別するようなお前たちには分からないだろう。俺たちは戦隊だが、お前たちみたいな歯車の軍隊じゃない。1人1人がナンバーワンを競い合う、それがゴジュウジャーだ!」
なお、ゴジュウジャーは、今回、ゴレンジャーみたいにゴジュウジャーハリケーンという合体技を放つのですが、ゴレンジャーの真似事をして、順に爆弾ボールをパスし合い、最後に赤(ゴジュウウルフ)がエンドボールで決めるやり方じゃ、敵に破られるんですね。
敵「バカめ。にわか仕込みの連携で、我らの歯車のような完璧な連携が崩せるものか」
そんな前振りがあって、ピンチになっていたのですが、テガソード復活後に再度、ゴジュウジャーハリケーンを繰り出す。
今回は1人ずつが爆弾ボールを持って、それぞれの個別技といっしょに爆弾ボールをぶつける。そういう連続攻撃を次々と撃ち放ち、敵に文句を言われます。
「そんなバラバラの合体技があるか!」(ドカーン)
ということで、厄災一派は、バラバラの人類とゴジュウジャーの一途な願いの結集力で、撃退されました。
ファイヤーキャンドル「ゴジュウウルフ、今回だけは手を貸してやったが、次に会ったときはまた敵だ。覚悟しておけよ」
果たして、明日の戦いはどうなるかなあ?
ともあれ、前回のテレビ放送からつながる話ではないですが(スーパーシンケンレッドとか、陸王の裏切りとかは反映されていませんからね)、
劇場版限定のテガソードオリジンは、TVでいつ出るのか、また厄災絡みの物語がTVでどう描かれるのか、今後の展開への仕込みということで楽しめた映画でした。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/28 (Mon) 23:24:58
定期感想その1です。
ガヴとゴジュウジャーの劇場版のご解説・ご感想、ありがとうございます。どちらもTV本編との直接のリンクもないし、第何話と何話の間というわけでもなさそうですね。ガヴのほうは仮面ライダーWEBに「ふんわりとテレビシリーズと対」と記載がありました。(→ガヴ/ゴジュウジャー感想へ続く)
●仮面ライダーガヴ(第45話:もう誰にも奪わせない)
今話辺りとガヴ映画が対ということなんでしょうけど、「ショウマの母みちるが(闇菓子がないから)攫われなかった世界」と、TV本編世界とどっちがショウマにとって幸せかということがありそうです。もっとも、映画世界ですとみちるが攫われないから、ブーシュ・ストマックとの間にショウマが生れてないわけですが。しかし、ショウマが「もし自分がこの世界で生まれたらこうなってたのか」と思えるタオリンがいるようですね。
映画世界は(敵が攻め寄せるまでは)ショウマが「このようであって欲しかった」世界になってるような気がします。ストマック家の兄弟は仲がいいし(たぶん父ブーシュ暗殺もない)、おそらくは売り手にも買い手にも欲望の源となる闇菓子を作り出してないから。人間界もスパイスのためのヒトプレス狩りなんてない。仰る通りに「ガヴ本来の世界よりも、非常に平和」ですね。
映画版がTV本編と並行世界でないと考えてみますと、今話の解釈がちょっと面白い。平和なIF世界を経験したショウマがTV本編の今の世界をどう感じるかですね。そこを考えながらショウマの言動・行動・気持ちを推し量ってみるのがなかなか面白くて。そういう解釈と、観た通りのショウマがTV本編のみの経験ではどう思ってるかの差とかですな。
今話を初視聴でより深く楽しめたわけで。直前の土曜に劇場版についてご教示頂けたのをありがたく思う次第です。
ともかく本編。ニエルブが突如「はぴぱれ」に現れまして、「君(ショウマ)の眷属を見つけたんでね、後をつけたのさ」と言う。これは前話途中から直接続いていることを示すもので、その後の異世界パートは本編と関係ないということなんでしょうな。
ニエルブは赤ガヴ(ショウマ)を倒す路線を放棄して、ショウマをストマック家当主に据えてのジャルダック家排除(からの打倒?)を目指すようですね。ニエルブがショウマを見込んだのはごく最近のはずで、酸賀のビターガヴで敗戦したときですね。
が、もっと前からショウマの可能性には注目してたわけか。母みちるがヒトプレスにされたときで、ショウマをヒトプレスにできなかったことで「おや?」と思うものがあったらしい。その後、ショウマを人間界に脱出させたのもニエルブの手引きであったわけか。
とはいえ、ニエルブのこれまでの行状からしてショウマが提案に応じるわけがない。そこはニエルブも心得ているようで、ショウマを大統領にすると言い出す。グラニュート界トップとなれば、闇菓子排除・人間界侵略を止められるというわけですな。さらにはグラニュート界と人間界を完全に分離も。
もっとも提案に過ぎませんから、ショウマも「はい、そうですか」と乗るわけにはいかない。「ヒトプレスを全て返せ」と要求してみるわけですが、ニエルブはあっさりと承諾。この時点では口約束ですが、後でちゃんと返してくるわけですな。ニエルブとしては完全に大統領ボッカを裏切ったことになります。
ラキアはデンテの作った解毒剤を試してまして、そこは自分にはちょっと分からない部分になります。多幸感の毒はヒトプレス狩りにはもう使われないようですんで、解毒剤も用済み同然のはず。ラキアは解毒剤を何に使うつもりなんだろうか。
もっとも、そこは今話では重要ではなく、毒を試すためにグラニュート態になったところへ幸果がやって来るのがポイントなわけですね。幸果は前にラキアが催眠状態(で入水しようとする)人々を救ったのは見て知ってますが、ラキアはまだ正体を見られたとは思ってない。特に多幸感の毒を使うところですね。
前にラキアは幸果にヒトプレス狩りのことを知られるのを恐れたものの、一応の踏ん切りは付けてました。が、ハッキリと知られた場合にどうするかまでは結論を出せてない。それが不意打ちで来ちゃった格好ですな。
幸果と一緒にやって来た絆斗ならもう真実を知っていて、割り切りもできてる。幸果にとりなすわけですが、幸果はまだ「あの触手で人間襲ってた?」部分は受け入れきれてない。「黙ってて悪かった」と頭を下げるラキアに、幸果はまだ戸惑って逃げ出すことしかできないわけですね。
そのシーンで自分は「いや、ここで幸果は『許す』に行って欲しかった」と思ったんですが、たぶん作り手の思う壺なんでしょう(^^;。幸果がラキアの過去をすんなり受け入れてくれればスムーズではありますが、感動は大きくなかったはず。「こうなって欲しいのに、そうならない」からこそ、自分が何を欲しているかを自覚できまして、後でその通りになればテンション爆上がりなわけですな。だから作り手はここで幸果が逃げ出す段取りにしたはず。
そうではあるんですが、幸果がラキアのもとを去った直後から期待は高める運びにしてますね。幸果は迷いと悔いを絆斗に語り、絆斗は自分の経験を語って幸果をガイドしてます。こうなりますと、幸果が出す結論と決断はおおむね察しがつくわけで、それがいつ来るかなあという期待になっていきます。
現時点で迷っているのはショウマも同じですね。ニエルブの誘いに乗るか否か。乗ればみんなを(将来の危機から)救える可能性がある。が、おそらくは成功しても人間界とグラニュート界の完全分離となり、ショウマはみんなと別れなければならない(そこに母みちるの兄の優も絡んで来る?)。
その点について、上述の「もしショウマが映画世界を経験していたら?」と考えると面白いわけでして。例えば、タオリンは死して世界を救ったと言えそうですが、ショウマはそれに倣って世界を救う覚悟をするんじゃないかとか。(映画未見のくせに ^^:)いろいろ妄想は膨らむんですが、しかしとりあえずはTV本編内だけで解釈していくのが無難でありましょうな。
悩むショウマの前をリゼルが通りがかりまして、占い師に化けたグラニュートを督促しに来たらしい。が、なんか変ですね。リゼルがヒトプレス担当になったとは思えない。もしかすると、ショウマを煽りに来たんだろうか。実際、ヒトプレスを取り戻そうとしてショウマを見てもリゼルは驚かず、むしろグラニュートを追わせようとした感じです。
これって、ニエルブの計画がリゼル、さらに大統領ボッカに漏れてるってことかしらん。下手するとニエルブがボッカらと共謀してショウマを誘い込んでる可能性すらありそうです。
リゼルの意図はともかく、ヒトプレス持って逃げたグラニュートはショウマ・ラキア・絆斗で対処(そしていつもの決め台詞で決着)。リゼルもちょっかい出してきますが、本気ではなさそう。ですが、傘をちょっと振っただけでビル破壊なのか。これはショウマに『グラニュート界と分離しないと』と思わせる効果ありそうです。手に負えませんからね。
が、リゼルの破壊は幸果に思わぬ効果があるわけか。瓦礫から身を挺して人間を守るラキアを幸果が目の当たりにするわけですね。「はぴぱれ」に戻って和解となりまして、過去を忘れることなく、しかし現在のラキアを認めるという感じでしょうか。
「はぴぱれ」に戻ってもなお悩んでるのがショウマですが、ニエルブから約束通りにヒトプレスが返される。これでショウマも決心つきまして、ニエルブと手を組んでグラニュート界に行くことにする。みんなとはここで別れる覚悟までできてるようですね。が、近くで様子を見ていたランゴが不気味ですな。それにしてもジープは何してるんだろう?
次回「決意のショウマ」ではショウマが大統領ボッカに挑むようですね。しかし、どうやら太刀打ちできない模様。そして、ショウマが去ったことを知ったラキア・絆斗・幸果が追っかけるみたいです。劇場版をなぞるような展開があったりすると面白いかもです。
●ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー(第23話:孤独な超新星、覚醒ウルフ!)
劇場版は仰るように9月からの盛り上げの伏線だったりするんでしょうな(ガヴのクライマックスとの競合を避ける意図もありそう)。ガヴの異世界ではもともとストマック家が敵ではないわけですが、ゴジュウジャーのほうはTV本編の延長でブライダンは敵であるようですね。でも、ゴジュウジャー側に合流して来ると。これは「序盤の敵が終盤で味方となる燃える展開」という感じでして、9月ごろに起こってくれると面白そうです。
それは先の期待でありまして、今話は前話での敵味方双方の内部崩壊の危機がとりあえず去ったという感じですね。ゴジュウジャー側は裏切った陸王を取り戻したものの、陸王の真意を伏せるために「敵を騙すには味方から」の体裁でかろうじて結束を保った感じです。
ゴジュウジャー側が薄氷なのは、やはり具島玲が陸王を操る動きがあるせいですね。今話で少し目的が明らかになりまして、命が危ういかららしい。角乃の妹:緒乙を目覚めさせる指輪のことが解れば、具島玲自身を救うことができるかもしれない。そのために具島玲に恩義を感じる陸王を動かしていると。
一方、ブライダン側は「やっぱり、こっちはみんな仲良しだった」と安心しちゃう仲直りで嬉しくなるほど。序盤では気を失ったファイヤキャンドルが偶然ですがブーケの膝枕へ。ブーケも受け入れてまして、中盤の次のシーンでもまだ膝枕してあげてます。終盤では正気を取り戻したファイヤキャンドルに、喜んだブーケがぎゅーっと抱き着いてたり。うん、仲良きことは美しき哉。
それにしても、ブライダン側ながら敵味方双方に怪しげな動きを見せていたクオンは何してるんでしょうな。今話では全く姿を見せませんが、単に休んでいるとも思えません。現時点で撹乱要因となっている具島玲の動き次第で何かするつもりなのかしらん。
ともかく本編。オルカブースターで暴走しかけたファイヤキャンドルはブライダン城へ連れ戻されるも、力への渇望が止まらない。テガジューンがいったん眠らせるも、ゴジュウジャー側が行ったオルカブースター召喚儀式(?)で目覚めて急行しちゃうわけですな。
その召喚儀式(?)が、まあ何ともゴジュウジャーらしいわけで。真白が真面目腐って「オルカ/シャチの好物はアザラシだ」と言い、禽次郎がアザラシ着ぐるみ。角乃も乗ってしまいまして、メスアザラシに引き寄せられるとアクセサリー。吠は吠えたらいいと。
なんじゃそれは、といったところですが、これで見事にオルカブースターを釣り上げまして、ファイヤキャンドルも付いて来る。助っ人には腑破十臓ですがテガジューンが生み出してまして、シンケンジャーの十臓という扱いではないんですか。召喚できるのはレッドだけという設定なんで、そうするしかないかも。まあ、出てくれるだけで上々、充分嬉しいですね。
ファイヤキャンドルのほうは、ついにオルカブースターに憑りつかれまして、アナザー・シンケンレッドとでもいうべき異形になっちゃいましたな。ゴジュウレオン/陸王が具島玲への義理を果たすべく立ち向かうも、全く歯が立たない。しかし吠/ウルフが根性見せまして、異形シンケンレッドのオルカブースターを奪ってオルカの力を使う。
いったん吠はオルカに飲まれかけますが、跳ね返してワイルドゴジュウウルフへ。これは真白の予想・危惧を上回るものでして、「二代目」をさらに見直すことになったんじゃなかろうか。陸王に対しては、仲間のためにオルカのリスクを取った吠ということで、「やはり裏切れない」と思わせるものがあったでしょうな。もしかすると危険を冒したことよりも、「いけ好かないが、すげえと認めてる」旨の台詞のほうが刺さったのかも。
こうなれば流れはゴジュウジャー側でして、敵を撃破。ファイヤキャンドルもオルカの支配を脱して正気に戻る。上述しましたが、ブーケが大喜びしてくれるわけですな。うん、仲良しでいい感じ。が、ファイヤキャンドルも義理堅い奴でして、オルカの影響であってもブーケを突き飛ばした自分が許せない。だから一発殴れ、というわけですね。
ファイヤキャンドルは顔面に一発と身振りですが、そんなことに慣れてないブーケは正拳中段逆突きでみぞおちへ。こういうところもいいコンビだなあ。これでブライダン側はめでたしめでたしですが、ゴジュウジャー側はそうもいきませんな。陸王の一時とはいえ裏切りをどうするか。
そこは真白のアイデアで「敵を混乱させてオルカブースターを捕獲する策」という体裁で誤魔化しておくと。みんなすんなり信じてくれたようですが、そう信じたいという気持ちがもともとあるかなんでしょうな。
それでも危うい状況でして、どうなるかと心配なんですが、次回「学園を騒がす快盗さ」はルパパトで学園ものらしい。具島玲が表立って事を起こすのはまだ先なのかしらん。
Re: 7月のスレッド(2025) - K.K
2025/07/29 (Tue) 23:33:30
定期感想その2です。
●SAND LAND(第4話:砂漠の向こうに)
今話前半は「ラオ/シバ元将軍 vs 国王軍アレ将軍」の砂漠の戦車バトルでして、単純な戦力比較では戦車台数で優り、一台ごとの砲の威力も上、しかも索敵にはレーダーを持つのアレ将軍優位。緒戦はラオが太陽を背にする戦術で敵の出端をくじくも、このままでは押し返されるのは必定。
しかしラオ側もベルゼブブが斥候を買って出ることで索敵では互角以上となる。今話で初めてベルゼブブにテレパス能力があると明かされまして、これが傍受不能の通信手段となるわけですね。加えて人間離れした体力ありますんで、高機動の偵察ができる。
これにより敵の位置を把握したラオが撹乱に出て、敵戦車を砂漠の峡谷地帯へ誘い込む。しかし敵戦車砲の威力が高いため、ラオの戦車が岩陰に隠れても岩ごと砕く砲撃に晒される。ラオの戦車砲では同じように撃ち返すのは不可能。
こうまでしてもじり貧かと思えたんですが、ラオは前に出てきた反重力の反石を使った投擲弾で目くらまし&レーダー妨害しておいて、アレ将軍の戦車に己が戦車を密着、そのまま砲を突きつけてゼロ距離射撃の構えとなる。ここで敵戦車が威力の高い砲を持ってるのが災いしまして、長い砲身が邪魔して砲を突きつけ返すことができない。
アレ将軍の父は以前はラオ/シバ将軍の部下であったため、シバ将軍についてよく聞かされていたようで、もともと深く敬うものがあったらしい。ほぼ為す術なく敗れた格好ですが悔いることはなく、むしろ尊敬の念を深めた模様。潔く降参しまして、ラオ/シバ将軍の話を聞くことに。
そこで盗賊団スイマーズが漁夫の利とばかりに砲撃して来るんですが、これはむしろラオとアレ将軍には幸いする。ラオ vs シバの戦いは互いに相手が先に撃ってきたと勘違いして始まったんですが、実はスイマーズの仕業と判明したことで、互いに好戦的ではなかったと確認できたわけですな。
安心して話せると分かり、ラオは水資源のことや魔族について、知る限りのことをアレ将軍に伝える。ピッチ人が実は水製造を進めていた平和的な種族だとか、ピッチ人への攻撃で大爆発が起こったのは国王側がアクアニウムをピッチ人に与えていたからだとかですね。魔族も実は平和的な種族という点はアレ将軍はにわかには受け入れられなかったようですが、ラオ/シバが深い信頼を示すことで納得する。
ベルゼブブらへのラオの信頼は、ベルゼブブらがラオを信用する態度あってのものですが(当初は銃に弾がないとか騙してたし)、上述の戦闘中に見せたベルゼブブのテレパス能力で納得できる仕掛けになってますね。明確な意思疎通は実際に話しかけるつもりで伝えないと無理みたいですが、気持ちは常に何となく伝わっているようです。
ベルゼブブもシーフもラオの心が「透明」と言ってまして、たぶん大事な部分では裏表がなさそうということなんでしょうな。他の魔族もテレパス能力があるとすると、第1話でラオがいきなりベルゼブブ以外の魔族からも受け入れられたのも分かります。「人間だけど害意がない」と分かったんでしょう。
ラオらと別れたアレ将軍は国王にカマかけてみまして、電話で「ゼウ大将軍によれば、30年前のピッチ人の戦車隊の壊滅作戦は王様のご命令だったとか」と言ってみると、国王は慌てて「その計画は全部ゼウ大将軍が考えた」と暴露してしまう。これでラオ/シバの言は本当であり、黒幕はゼウ大将軍だと確定したわけですね。
一方、ラオらは豊富な水源らしき湖を発見して続く。ここまでがおそらく中盤で、敵味方の構図がほぼ定まりました。次からの2話が終盤で決戦になだれ込んでいくんでしょう。
●仮面ライダー電王(第5話:僕に釣られてみる?、第6話:サギ師の品格)
ウラタロス登場でありまして、先週分ラストで出現したデンライナーを追う怪しいイマジンですね。登場は不気味なんですが、実体化してみると人懐っこくて、誰の懐にも飛び込んで来る親しみやすさがある。
もっとも、それは多分に演技でして、相手の欲望を察し、気持ちの動きを見逃さず、計算高く相手を操作して、自分(ウラタロス)がやりたいことをやると。ウィキペディアには「詐欺師のような」とありますが、どうもホストに近いような。良太郎に憑依したまま病院に担ぎ込まれると、たちまちナースを虜にする。年長の師長相手だと甘えてみせるわけですね。
カフェ「ミルクディッパー」常連の尾崎正義が相手だと「お義兄さん」と呼んで、姉:愛理の将来の結婚相手みたいに扱って喜ばせる。ただ、これは一時の夢を見せるという感じでして、すぐに現実に引き戻されちゃうでしょうな。ウラタロスの話術・嘘はその場しのぎの傾向があるようです。
そこはモモタロス、ナオミに対する嘘にも表れてまして、ウラタロスは長いこと時をさまよっていたとか言って同情を誘う。苦労話は情を掻き立てられやすいですが、情が優れば理性が下がる。後でハナが「2007年に現れたイマジンが長らく時をさまよっていたわけない」と指摘しますと、モモタロスらも「あっ!」という感じで気が付くわけですな。
そんなことやってると、ウラタロスは同じところに留まるのが難しくなります。周囲に「こいつ(ウラタロス)は嘘で誤魔化すことしかない」と不信感持たれちゃいますから。まさにその通りに後半(第6話)ではウラタロスが自業自得のピンチに陥るわけですな。しかし、たった1回の善意の嘘でめでたしめでたしとなるわけで、いい感じの人情劇を作ってます。
その善意の嘘をもたらすのが、今週のゲスト被害者の斉藤大輝少年。サッカーチームに所属しているようですが、うまく行ってなくて怪我により補欠扱いらしい。打ち込んでいたらしいサッカーを今は憎んでいるかのような様子すらある。大輝はクラストイマジンに憑依されてるようなんですが、誰にもそのことを打ち明けようとしない。
大輝の謎めいた行動の意味は後半でようやく明らかになりまして、サッカーの正選手に復帰したい願い・焦りをクラストイマジンに付け込まれたらしい。大輝は単に「またサッカーをやりたい」と願ったに過ぎません。
が、クラストイマジンは「チームの正選手が怪我をすれば大輝が補欠から昇格してサッカーをやれる」と歪めて解釈してみせ、チームを襲っちゃうわけですね。イマジンとの契約が、いよいよ悪魔との取引みたいになってきました。その辺り、良太郎の元に集うイマジンが(願いがあやふやゆえに)根は善良なのと対照的で面白い。
クラスとイマジンがチームメイトに危害を加えても、なおも口を閉ざす大輝ですが、ウラタロスが「契約者を知ってるよ」と言い出し、良太郎に憑依。「連れてってあげる」とハナの手を取りますが、ハナは憤然として拒否。「あんた(ウラタロス)嘘ばっかり」というわけですね。
相手の考え・気持ちを読んで取り入ることが上手いウラタロスにしてはドジを踏んだ格好です。が、それもウラタロスの計算通りだったらしい。嘘を厳しく拒絶するハナを見た大輝、真実を話す勇気が出たわけですね。どうやらウラタロスが読んでいたのは大輝の気持ちだったらしい。
これでクラストイマジンが飛んだ過去の時点・地点が分かったものの、オーナーによりウラタロスの処遇が問題とされる。デンライナー退去(永遠に時をさまよう)か残留か、良太郎に一任される。ずっと一時しのぎの嘘をついて来たウラタロスは退去を覚悟する様子がありますが、良太郎は残留を選択して皆を驚かせる。
上記の大輝を思っての嘘・芝居を良太郎は是と評価したわけですね。つまり、良太郎は肝心なところではウラタロスを上回る察しの良さがある。これにはウラタロスは深く感じ入るものがあったようです。
これで新参のウラタロスも加えての結束が成り、海に逃げてモモタロス・ソードフォームの手に負えなくなったクラストイマジンは、ウラタロスによるロッドフォームで撃破。今回は過去を少し変えることもせず、しかし大輝少年はベンチから仲間を応援してましたな。クラストイマジンに頼らずとも立ち直る運命であったようです。
今週分では良太郎が変身するゆえの電王の弱点もちらっと見せてましたな。電王ソードフォームはウラタロスさえ元気であればフルパワーと思ったんですが、そうではなくて良太郎が体力の限界になると戦闘不能に陥ってました。しかし、これを克服する流れがいずれ来るわけですね。